2010年12月9日木曜日

冬至から大寒までの養生法

冬至から大寒までの養生法

冬至は陰陽でいうと、陰の極みの時期です。
陰が極まれば、陽に転じ、この日より一陽が生まれ、自然界の陽気が地下で動き始めます。
日本では、冬至の日には、かぼちゃを食べ、ゆず湯に入って身体を温め、寒邪から身を守りますが、中国ではあずき粥を食べて身体の解毒をはかるそうです。

一陽生まれるといっても、これからが最も寒い時期で、空気の乾燥も進み、インフルエンザやノロウイルス等が流通しやすい条件になります。
現代人は、この季節に忘年会、新年会等のパーティーが続き、知らず知らずのうちに暴飲暴食します。
身体の免疫は、入ってきた食物や飲み物を吟味して栄養に変えたり解毒するのに疲労困憊し、外からのウイルスのパトロールが手落ちになります。
食べ過ぎて胃腸が疲れている人ほど、ウイルスに感染しやすくなりますので、ご注意ください。
宴会の前後は、ご飯と一汁一菜程度の粗食を心がける。
食べ過ぎて胃腸に負担がかかったと思ったら、小豆と鳩麦の八倍粥(半カップのお米に4カップの水、小豆と鳩麦はそれぞれ大さじ1を入れて、コトコト炊きます)を召し上がってください。

新年を迎えたら、1年の病気予防のために、屠蘇酒をいただきましょう。
おやつには、落花生、栗、胡桃、小豆、黒豆、胡麻、黒砂糖などを混ぜ込んだパウンドケーキを作ってみられてはいかがでしょうか?
これらの食材は、体内で陽気の成長を促し、寒い冬から身を守り、一年の体力を養う原料です。
生クリームタップリの洋菓子を止めて、身体を養うお菓子を一家で楽しみましょう。

冬は野生の動物が冬眠するのと同じく、エネルギーを充電する時期なので、ダイエットをしてはいけません。
多少太るくらいがよいのです。
食事を減らして寒い中を歩いたりするのは、もってのほかで、身体に冷えが充満し、春を迎えてから眩暈、自律神経失調、鬱病、アレルギーなどの病気を起こすようになります。
冬のダイエットは老化を促進すると心得てください。

★保健室のお勧め★

♪ウイルス解毒と免疫強化に、タンポポ茶+通竅を!
♪春先に更年期症状が出やすい方は、冬の間に子羊袋、亀齢寿などを補っておきましょう!

2010年12月2日木曜日

立冬からの養生法

立冬からの養生法

今年は過ごしやすい秋が無いにひとしく、一気に冬を迎えてしまいました。
秋は、夏の暑さで消耗した体を休め、肺と大腸を補い、冬の寒さに向けての体を養う季節でした。
即ち、睡眠不足を解消してよく眠ること、蓮根、ゆりね、さつまいも、栗などで体液(陰)を補給すること、乾布摩擦などで皮膚の衛気(陽)を高めることで、冬の寒さに負けない体力や免疫力を養うのが秋の養生だったのです。

ところが本来秋でなくてはならない時期にまだ暑さが続き、補うどころか、心、肺の気をどんどん消耗し、冷たいものを食して脾胃を傷めたのが、今年の皆様の体です。
肺の気が消耗すると、肝気が抑えられなくなり、疏肝の力が弱まるので、ストレスに弱くなったり、自律神経のバランスが乱れたりと様々な不快症状で悩まれる方が大変に多いのが今年の晩秋の特徴です。
又、肺の気が弱るとその子供である腎気が養えず、すなわち生命力が危ぶまれます。

もしもこの冬に、強毒性のインフルエンザ等が流行れば、多くの死者が出ることが予測されます。
また、ガンの養生中の方や、慢性の病にかかっておられる方は、自分で思う以上に体が消耗していることを知っておくべきで、この冬は石橋をたたいても渡らないくらいの養生を心がけるべきです。
それでは具体的な養生をご紹介いたしましょう。

1,夜は9時~10時には就寝し、朝は遅め(日の出の時刻を参考)に起きる
2,冬はあれもこれもと仕事のしすぎをせず、来年春に向けて情報、知識、エネルギーを蓄える
3,冬は多くの人と活発に交流するほどエネルギーを発散し生命力を消耗することを念頭におく
4,北風が強い日、風雪の激しい日、雨の日に散歩しない
5,早朝の散歩や夜間の散歩は厳禁で、日中の温かい時間を選んで、汗をかかない程度に留める
6,半身浴、足浴、岩盤浴等も汗をかきすぎてはいけない
7,南風(逆風)が吹き温かい日の翌日は毛穴から寒邪が入りやすいので用心する
8,体を温める鍋物などの食べ物がよいが、汗をかくほど体を温めてはいけない
9,アイスクリームやビール、体を冷やす食べ物は厳禁
10,補腎の食材をとる・・・餅米、山芋、栗、ぎんなん、鶏肉、豚マメ、牛肉、烏梅、なまこ、黒胡麻、枸杞子
11,養血の食材をとる・・・豚レバー、ハツ、豚足、亀肉、スッポン、イカ、タコ、牡蛎、ホタテ、ムール貝、マテ貝
12,温腎の食材をとる・・・にら、らっきょう、ねぎ、胡桃、羊肉、海老、肉桂、胡椒、サケ、マス、黒砂糖
13,冬は補精の季節なので、性生活は控えめに、特に食後や酒を飲んでの性生活は命を縮める
14,朝は温かいお粥や雑炊を食べ、夜は補腎、養血、温腎の食材を取り入れる
15,紅参、大熊柳、コルマータQ10、補中益気湯など補脾のものは朝、紅羅布麻、循環元、センザンショヨ、タンポポ茶等の活血剤、化痰剤、理気剤などの巡らすものは昼と夕方、紫霊芝、亀齢寿、竜葵などの滋陰剤、解毒剤は夜~寝る前に服用する