2015年7月21日火曜日

養血の薬膳 竜眼肉と大棗の赤ワイン煮

養血の薬膳 竜眼肉と大棗の赤ワイン煮

抗ガン剤などで骨髓抑制が起こり、赤血球が少ない方。
貧血気味で、動悸、息切れ、めまい、不眠、不安などがある方にお勧めの養血レシピです。
夏場は汗のかきすぎ(津液の消耗)と、食欲の低下による栄養の不足で、貧血になりやすい時期です。
血液は、造血の素材+補気の素材により作られるので、炭水化物制限食などをしておられると、思わぬ貧血に陥ることもあります。
活動が盛んな、朝と昼は炭水化物を制限しすぎないように注意しましょう。
夏場は、昼食後15分ほどお昼寝することで、造血力もアップします。

材料・・・1人分 竜眼肉又はプルーン20グラム、大棗8個、赤ワイン25CC
作り方・・・
1,大棗を適量の水で柔らかくなるまで煮る

2,そこへ、竜眼肉(なければプルーン)と赤ワインを加えて、アルコール分が飛ぶまで煮る

3,好みでハチミツを少量加えてもよいです

このレシピは、血を養い精神を安定させる、”養血益心安神”の働きがあり、心血虚、肝血虚に対応します。

★読者さまより、お勧めの中医学の入門書を教えてほしいと尋ねられましたので、ご紹介いたします。

*薬膳の基本 辰巳洋 緑書房
*中医薬膳学 辰巳洋 東洋学術出版社
*実用中医学 辰巳洋 源草社
*がんに負けない養生レシピ 三位敏子、小高修司 世界分化社
*東洋医学で食養生 高橋よう子、上馬場和夫 世界分化社
*図解 東洋医学のすべてがわかる本 ナツメ社

等、私の師匠の方々が書かれた本です。

2015年7月14日火曜日

介護生活を前向きに♪

介護生活を前向きに♪

超高齢化社会に突入し、薬局店頭でも介護の悩みを頻繁にご相談を受けています。
介護は子育てと違って、次第に弱ってゆく姿を目の当たりにせねばならず、お世話する方も、される方も大変に辛い!というのが本音かと思います。
けれども、いつまで続くかわからない先が見えない辛さが延々と続けば、お互いに免疫力が低下して共倒れすることは目に見えています。
野生動物の世界では、子育てはしても、介護するという習慣はみられません。
即ち、介護は高度な知能をもつヒトだけに与えられた、成長のための天からの贈り物なのかもしれませんね。
お互いにより良い介護生活を送り、人生の終盤を価値ある物として過ごすためには、お互いが創意工夫することが必要です。

私は小さい頃から、父母がそのまた父母のお世話をする環境で育っており、祖母を7年、実父を13年間介護していたので、このような状況を比較的当たり前のように受け入れることができていました。
ところが、核家族でマイペースでやってきた方や、介護を経験したことがない方にとっては、方法もわからないし、相手の気持ちもなかなか理解できないために、多くの衝突が生じる事と思います。
各ご家庭により、環境も条件も違いますので、その都度最も良い方法を編み出し、一つ一つ乗り越えてゆけると、逆に大きな自信につながったり、より良い家族関係が築けたりします。
私の場合も、恐怖の存在だった父でしたが、介護の末に素晴らしい親子関係を築いて見送ることができ、これは私たち親子にとって大きな心の宝物になりました。
今また、主人の母の介護が続いていますが、このおかげで家族が結束し、大変だけど充実した毎日が送れています。

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今日は私たち家族が、介護生活する中で見いだした、お世話するヒトの心の養生と、お世話を受けるヒトの心の養生をご紹介したいと思います。
ご本人はとても辛い!けれども家族も同じように辛い!だからお互いを思いあって、辛さなんて吹き飛ばし、楽しい毎日を送りたいですね!!!

★お世話するヒトの心の養生6訓★
1,ありがとう、ありがとう、いつも育ててくれたよね?

2,腹がたったらひと呼吸!自分もいつかはたどる道

3,辛い言葉は、病気や不自由がそうさせる、決して本音じゃないんだよ!

4,1人でしょいこまず、関わるヒトの智慧を借りよう

5,時間を決めて濃いお世話!ダラダラ止めて自分の時間もちゃんと確保

6,笑顔を見るのは、徳積み作業

★お世話を受けるヒトの心の養生6訓★
1,ありがとう、ありがとう、当たり前じゃないんだね?

2,あなたのご都合大丈夫?人への気遣い円満の秘括

3,家族は召使いじゃなかったね?指図を止めてお願いしま~す

4,お任せしたら、口出し我慢

5,今の私に出来ること、毎日一つ見つけよう

6,今すぐに!焦る気持ちは事故の元、待てます、待てます、のんびり行こう

最後に、お互いに百万回ありがとうの気持ちで行きましょうね!!!


2015年7月7日火曜日

梅雨バテ、夏バテの2タイプ

梅雨バテ、夏バテの2タイプ

1,焼け石に水タイプ(気陰両虚型)

特徴・・・体力が低下して体温調整がうまくいかないタイプ (大きな病気をした方や、寝不足、過労が続いている方は要注意)
*じっとしていても、額や首筋から玉のような汗がしたたり、異常な汗をかいてしんどい
*異常にのどが渇き、冷たい水分を欲する
*飲食の度に、軟便や下痢になりやすく、便が出すぎてしんどい
*少し動くと、動悸や息切れがする
*熟睡できず、眠りが非常に浅い

養生・・・消耗した体力(気血津液)を補う養生をします
*早めの睡眠と、30分ほどのお昼寝
*サウナや強い運動は中止し、涼しい時間帯に15分程度の散歩
*ハチミツレモン水や甘酢の料理で気と津液を補給
*冷たい水分をがぶのみしない
*生脈紅景天等、気陰を補う方剤で後押しする

2,スポンジ水ふやけタイプ(気虚湿熱型)

特徴・・・体に余分な湿と熱がこもり、体が重い(更年期の方、運動する習慣のない方、クーラーの部屋ですずんでいる方は要注意)
*首から上がのぼせて火照り、後頭部のあたりからじっとり嫌な汗をかく
*首や肩が詰まってくると、めまい、フワフワ感、頭が重く不愉快
*動悸、息苦しさ、煩燥、熱が籠もり、頭がぼんやりする
*食欲がない、手足が重くだるい、
*尿量が少なく、体がむくみ、しんどい

養生・・・上下の気を巡らせ、良い汗をかける体を作る/胃腸の働きを助け余分な湿熱をためない養生をします
*涼しい時間にウォーキングをしたり、青竹踏みをする
*クーラーの中ですずんでばかりは止めて、体をこまめに動かす
*冷たい水分のがぶのみ、ビールなどのアルコールを控える
*揚げ物、炒め物、甘いお菓子等、湿熱を生む食品を控える
*冷や麦、素麺等に偏らず、ご飯を食べる、麺類は薬味をしっかり入れる
*胃腸を助け、湿熱をさばく升降丹や、水はけをよくするショーキT1タンポポ茶等の漢方で後押しする

2015年7月1日水曜日

食事療法はオーダーメードで!

食事療法はオーダーメードで!

世の中に食事療法というものが星の数ほどあり、いろいろな本を読めば読むほど皆さんは迷ってしまわれると思います。
ガンの食事療法でも、代表的な玄米菜食とゲルソン療法ではその内容も正反対である部分があります。
これは、物事には必ず裏面と表面があることを理解していれば、容易にそのバランスを取ることができるでしょう。

例えば、ブドウ糖はガン細胞にとって、この上ないエネルギーになるため、極端に糖質制限に走る療法があります。
しかし、炭水化物(食物繊維+ブドウ糖)は、私たちがエネルギー活動をするために不可欠なものであり、燃えかすが残らないクリーンなエネルギーなんですね。
従って、ブドウ糖が持続的に安定して供給されることが大切で、極端な血糖上昇や、それに伴うインスリン分泌で、血糖値が急激に下がってしまうことを避けるのが良い方法です。
そのような意味で、精白糖や液糖を避けて、雑穀などの食物繊維が多く、ゆっくりと持続的な必要量の糖が供給されてゆく食品を上手に摂られることは良いと思います。
ガンの方では、玄米菜食を取入れる方が多いですが、玄米菜食は安定した糖の供給が出来るほか、動物性のタンパクや脂質を控えるために、肝機能、腎機能に負担をかけることがなく解毒の力を高める点で、お勧めできると思います。

次に動物性のタンパク質についても賛否両論があります。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いは、プロテインスコアーと脂肪酸のバランスの違いです。
植物性タンパク質に比べて、動物性タンパク質は必須アミノ酸が網羅されており、栄養の観点から優れています。
必須アミノ酸が不足すると、貧血、リンパ球の数と活性の低下・・・免疫力低下、手足がだるい、ふらつき、めまい、むくむ、疲れやすい、髪が抜けるなど、気血両虚の症状が出てくるので、状況に応じて制限を緩める必要があると思います。
又、動物性タンパク質の中でも、魚にはωー3系の脂質が含まれており、肉に多い動物性飽和脂肪酸とは、生理活性が違うので、別物として捉えた方がよいでしょう。

それでは、動物性タンパクを否定する理由としては、代謝の段階で、アンモニアを代表とする有害な窒素化合物が生じ、これが炎症、ガン化、神経障害等の原因になるためです。
組織で生じた有毒アンモニアは、グルタミンに変換され、筋肉で生じたアンモニアはピルビン酸からのアラニンに変換されて、肝臓に運ばれ、肝臓で脱アミノ化されて、尿酸・・・そして尿素に変換されて、腎臓から排泄されてゆきます。
これが非常に肝臓、腎臓に負担をかけ、解毒作業がオーバーワークになってしまうんですね。
ですので、特に肝臓、腎臓、消化管にガンがある方には、臓器の力が回復するまで避けた方がよいわけです。

このように、どれひとつをとっても必ず二面性があります。
そして、体の状態も千差万別ですので、そのときの体の状態に合わせた食養生というのが大切になります。
本日は、西洋医学的な観点から食養生をお話しましたが、中医学的にはさらに細かく体質を弁証し、それぞれに必要な食材をとることで、体のバランスを回復させてゆきます。
難病、慢性病でお悩みの方は、こちらまで食養生をご相談ください。
ご一緒に勉強したい方も大歓迎です♪