2013年10月30日水曜日

ネバネバ食品の効用

ネバネバ食品の効用

山芋、長芋、里芋、オクラ、海草、納豆、モロヘイヤなどのネバネバ食品にはムチンがたくさん含まれています。
ムチンは、皮膚、関節、目の水晶体などに多く、保湿、潤滑、免疫力の強化などに大切な働きをしています。
これらは中医学でいう津液の働きで、特に加齢に伴い不足してきます。
また、寝不足や過労でも津液は消耗し、粘膜が乾いてくると、免疫力が低下して、アレルギー、粘膜の荒れ、潰瘍、発ガン等の炎症につながるので注意が必要です。
このような傾向がある方に、ネバネバ食品は優れた働きをもっています。

またこれらの食品は、肝臓でグルクロン酸を作る働きがあります。
グルクロン酸は、肝臓の働きを助けて、解毒機能を強化し、疲労回復に役立ちます。
ネバネバ食品に化痰の働き(痰を溶かしたり、痰湿という病理産物を処理する働き)があるのはこのためです。

里芋などは、外用でパスタとして使用すると(里芋湿布)病理産物を吸着して、痛みや腫れを引かせる働きがあります。
この場合は、里芋粉を使用したり、生の里芋をすり下ろして、生姜汁と併せて、ネルの生地に伸ばして使いますが、その前に生姜罨法等で患部の血行をよくしておくと、さらに効果があがります。

ネバネバの食品は、正しい津液を補いつつ、悪い病理産物である痰湿を処理してくれる、両刀使いの優れた食品です。

2013年10月22日火曜日

自然から学ぶ

自然から学ぶ

季節外れの台風で、大変な被害が出ています。
10月も後半に突入したというのに、次々に大型台風が日本列島に接近しており、油断できない状況です。
でもこのことは、庭の蜂の巣から予測できていました。

例年ですと、倉庫の天井部分や、庭の高い木に巣を作っているのですが、今年は足下の低木や、灯籠の中に巣を作っているのです。
そして、巣の数もとても多いことから、大きな自然災害の可能性を感じていました。

通常であれば西風が吹き、秋も深まる季節なのに、南からの湿った風が吹くことや、上空に寒氣があるために秋がなく突然冬の寒さが到来することなど、季節の巡りが順調ではなく、明らかに逆風が吹いており、これは私たちの体に大きな影響を与えています。
つまり体が準備できていない種類の邪を受けるわけですから、健康人ですら体調を崩すことが多く、いわんや、持病がある方や、お年寄り、子供、虚弱な方、更年期等でバランスが崩れている方、ストレスで体が消耗している方には、大きな打撃です。
このようなときは、とにかく無理をやめて、体をよく休めること、そして心を朗らかにすることが大切です。

また、今年は梨などの清肺作用のある果物が豊作であったことから、肺に熱をもつ病気が予測されます。
漢方薬も、そのような系統のお薬を仕入れました。
ご家庭では、梨の蜂蜜煮を作って冷凍しておかれると、咳が出たときに便利ですよ♪
激しい温度変化は、嬌臓である肺を傷め、容易に風邪やウイルス性疾患などの感染症に罹りやすくなりますので、今から注意が必要です。
食べ過ぎを避けて、胃腸に負担をかけすぎないことと、乾布摩擦や温冷浴で皮膚の免疫力を今から高めておくことがお勧めです。

皆さんも、散歩に出かけたら、風向きや、畑の食物の成長、そして鳥や虫たちの様子などを観察してみてくださいね。
自然は私たちに色々なことを教えてくれていますよ!!

2013年10月16日水曜日

更年期の薬膳

ロバ先生が、更年期のぴょんのために作ってくれた薬膳もち

1,まず、山薬を煎じます・・・山薬は肺、脾、腎を補い、薬膳に用いやすいクセのない生薬です。手に入らない場合は、山芋、長芋で代用できます。

2,一番煎じはそのまま服用し、二番煎じにワカメ、春雨、高野豆腐、梅干、玄米もちを入れ、塩味で調味してできあがり!!!

高野豆腐は、イソフラボンの濃縮版で、腎と脳髄を補います。
ワカメ、春雨は、火照りやすい体を清め、解毒します。
梅干しは、収斂の働きで汗を止めます。
塩味は汗のかきすぎによる腎の疲れに養生します。

乾物をサッと煮込むだけで、お手軽、簡単で、しかも美味しい!!!

2013年10月9日水曜日

漢方相談の近況

漢方相談の近況

今週に入って一気に増えてきた症状は、水っぽい咳、痰、鼻水、微熱が続いてスッキリしない・・・などです。
10月に入っても昼間~夕刻まで30度近い異常な暑さが続いています。
職場では、未だにクーラーがかかっており、冷たい食べ物や飲み物を摂る傾向があるようです。
ところが深夜~早朝は一気に気温が下がってきますので、昼間にとった水分がはけきらず、体が冷やされて、水っぽい咳、痰、鼻水、顔のむくみ、だるさ、腰痛や関節痛などの症状が現れてきます。
つまり、暑くなったり寒くなったりする変化に体がついていけていないと、このような状態になるわけです。

現在、最も出ている処方は、二陳湯、小青竜湯、柴胡桂枝湯、小柴胡湯など。
痰飲を取り除いたり、解表させたり、少陽の欝熱をとる処方の組み合わせで、微調整が可能になっています。

現在、このような症状でお悩みの方は、まず胃腸の疲れをとるために、1日1食をお粥にしてみてください。
生姜の千切り、長芋の千切り、白ネギの千切り、きのこなどを具にして、塩味で調味するとよいです。
お腹を温めることで、発汗を促し、湿をとりさって、欝熱を予防してくれます。

2013年10月5日土曜日

お日様ウォーキングの勧め

お日様ウォーキングの勧め

朝夕、急激に冷えて気温が低くなってきました。
ここのところ多いのが、喘息、気管支炎、鼻炎など、肺の冷えにより起こる症状です。


夏場は早朝より散歩していた方も、これからの季節はお日様が出ている時間に散歩してくださいね。
急に冷たい風に当たると、肺を冷やし、思わぬ体調不良の原因になります。
また、夜間のウォーキングも、夜風は腎を冷やして消耗させ、老化に拍車をかけるので、要注意です。

最近では日差しが強いために、紫外線をガードしまくる傾向が強いですが、一日30分程度、お日様を浴びて歩くことは、骨の健康、老化予防、鬱病などの予防に効果があります。
ガンの骨転移予防にも、お日様ウォーキングは効果的!!!
骨には適度な圧力、光、栄養が必要です。
特に冷え性の方は、お日様の高い時間に散歩してくださいね。

雨の日や風の強い日は無理して散歩するのでなく、お部屋でストレッチや養生体操をすれば十分です。
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