2012年4月25日水曜日

立夏までの養生法 肝の季節ですね


気温の変化が一日10度以上あると、本当に体はついていかないです。
朝晩寒いのに、日中は真夏日・・・体調を崩す方が目立ってきました。

春は木の芽が伸びるがごとく、上へ上へと成長してゆきます。
私達の気も上に昇りやすくなります。
気を上に昇らせるのは、肝の働きで、それによって気力が充実して活動できるのですが、それが過ぎれば上半身に熱が集まり、のぼせ、火照り、耳鳴り、頭痛、めまい、イライラ、怒りっぽいなどの症状が出やすくなります。
また、肝の気が上がらなければ、気力がわかず抑鬱気分になったり、動くのが億劫になってしまいます。
肝気は昇りすぎても、少なすぎてもダメなんですね。

このどちらの症状にも良い養生が、肝血、肝陰を補うことです。
陰というのは、重たい物で、体を潤す物・・・体液とか血液とかが陰に含まれます。
それに対し、陽は活動的なもの・・・やる気とか元気は、陽気が充実しているから起こり、普段は陰がそれをコントロールしています。
人は歳とともに、陰が不足してきますよね?
歳をとると、シワになったり、カサカサしてくる現象がそうです。
そうなると、陽気をコントロールできなくなってしまいます。

つまり、ヤカンに多くの水が入っていれば、どんどん火をたいてもなかなか沸騰しませんが、水が少なければすぐに沸騰し蒸発してしまいます。
春はコンロに火がついた状態と同じですので、肝陰が不足するとすぐに沸騰が起こり、めまいやユラユラ、フワフワ、のぼせなどが出てしまいます。

この季節、不調がある方は血になる食べ物をしっかりと摂りましょう。
そして、頑張りすぎて気を発散しすぎている方は、肝気虚になる恐れがありますので、甘酢の料理で陰を養い、収斂して、モレを防ぐことが大切です。

2012年4月18日水曜日

穀雨からの養生法


春の不定愁訴とカキ

先日、甥の結婚式で広島に訪れた際、宮島まで足を伸ばしました。
カキとアナゴは宮島の名産とのことで、海のいたるところにカキイカダがしつらえてありました。
リニューアルして、見応えのある宮島水族館(みやじマリン)を初めて見学し、驚いたのはカキイカダの展示でした。
イカダの下のロープは約9メートルの長さで、それにお行儀よくカキが植え付けて?ありました。
カキの赤ちゃんは、生まれるとまもなく住処を探し、”ここに決めた!”と居場所を見つけると、一生をそこで暮らすそうです。
そして、海水の中の色々な物をいっぱい食べて、大きくなると自分が雄になるか雌になるかを決定するそうです。
栄養状態が良いと、雌になるそうですヨ♪
そうして、産卵と放精が行われ、新しい命が誕生するのですね。

厳島神社への参道で、炭火焼きの焼きガキをいただきました・・・口いっぱいに拡がるジューシーな旨みは最高でした!
カキの旬は桜の花が散るまで・・・と言われるのでそろそろ終わりの時期です。
これから産卵と放精が始まると、身が細り味が落ちる上、中毒も起こしやすいそうです。

しかし、それは真牡蠣において言えることで、夏ガキとして有名な岩ガキは、これからがシーズンだそうです。

美味しいカキは、薬用にもとても優れたものです。
体の陰を補い、春先に多いのぼせ、火照り、耳鳴り、動悸、精神不安定などの不定愁訴を取り除きます。
春の薬膳にもってこいのカキですが、これらの作用は、カキの殻にあるので、カキ殻を煎じてその汁を飲むとよいのです。

一方、身の方には血行を良くしたり、女性の月経を整える働き、美肌、肝機能を助ける働き等があります。
ただし、胃腸の弱い方や、高血圧の方、痔のある方は食べ過ぎないこととされています。


カキを使った簡単で美味しいレシピをご紹介しましょうーーーーカキとシメジの白ワイン蒸し

1,フライパンにオリーブ油をしき、みじん切りにしたにんにくを炒めます
2,香りが出たら、カキとシメジを入れ、軽く塩、胡椒し、白ワインをふりかけて蒸します
3,好みでパセリ、醤油、バターを少量落としていただいたり、ゆずぽん、レモンなどでいただいても美味しいです♪

2012年4月5日木曜日

穀雨までの養生法


もう4月だというのに、今朝の気温は2度・・・・なんと寒いのでしょう。
桜もこごえて未だに固くつぼんでいる様子です。
例年ですと、春物のパステルカラーの洋服を着て、ウキウキとしている頃なのに、私はまだ真冬のような格好をしています。

ここのところ多いのが、急に血圧が上がったり、眩暈や動悸が激しくなって不安になる症状。
そして同時に下半身は空虚で、足腰に力が入らずいわゆる”腰抜け”症状が目立ちます。

この状態がひどくなりと、人事不省となり、いわゆる中風で倒れて命を亡くすこともあります。
現に、この1~3月は、例年になく葬儀屋さんが忙しいとのことです。

通常であれば、春は穏やかで温かく、人の肝気もすくすくと伸びて活動的になり、汗をかいて適度に発散してゆくのですが、今年のように、温度が20度近くに上がったと思いきや、急激に2度近くまで冷える・・・これは体にとって大変な負担がかかります。
つまり、陽気が発散しかかっているのに、冷えてそれが抑えられ、上半身に熱がこもり、下半身は異常に冷える・・・・これはお天気と全く同じで、温かい空気と冷たい空気がぶつかり合うと、前線ができて低気圧が発生し、雷がなったり嵐が起きますよね?
体の中で、このような状態が起きていると思っていただければよいです。
前線ができているのは、上半身と下半身の分かれ目のお腹の部分ですので、そこがパンパンに張ってゴロゴロと雷が鳴り、正しい気の巡りを塞いでいるわけです。

この体の嵐を起こさないために、次の養生をお勧めします。

1,あれもこれもやろうと考えず、楽しんでできる範囲で満足する
2,遅くとも11時には就寝し、遅くとも7時には起きる、そして決まった時間に食事をする
2,天に向かって大きく背伸び、地に向かってシコを踏む、下半身を動かさずに、上半身のみ左右に捻る
3,腰浴、半身浴で、足心と肝腎を温める
4,耳の温灸で、上下、左右、表裏(自律神経のバランス)を整える
5,切り干し大根とネギの入った温かいお蕎麦を食べ、食後に柑橘類を食べる
7,朝はタンポポ茶で解毒を促進、昼は発酵紅参で気血を巡らせ、夜はWリンクルで肝腎を補う