2015年5月15日金曜日

この夏は湿の病に注意♪

この夏は湿の病に注意♪

今年は、5月の段階ですでに6つの台風が発生し、先日は6号が日本列島を通過してゆきました。
過去のデーターでは、5月に台風が日本を通過する年回りは、次々に台風が発生し、梅雨前線が刺激されて大雨の被害が出やすいとのことです。
梅雨が長引き、梅雨明けが7月終わり近くになり、明けて8月になってもはっきりしないお天気であることが多く、冷夏になりやすい傾向があるそうです。

私たちの体は、天人相応で気候の影響を受けていますので、毎年季節の養生をお話していても、微妙に違ってくるのは、天候が判で押したように同じではないためです。
年により、流行病や病気の傾向も違いますし、同じように農作物にも出来、不出来が生じてきます。

さて、今年は雨が多いとのことですので、例年にも増して湿の病に注意が必要ですね。

湿と関係する臓は脾ですので、脾虚の方は今から冷たい水分の摂りすぎや、甘い物、揚げ物などの摂りすぎにご注意ください。
梅雨時に入ると、軟便、下痢、食あたり、膝腰の重痛など、下半身の湿邪による症状が増加します。
座りっぱなしや、運動不足で足の筋肉に刺激が不足すると、脾虚が進みやすいので、今からその場スクワットや養生体操などで足腰の筋肉を強化してくださいね。

また、冷え性の方は、梅雨冷えによる寒邪と湿邪があいまって、頭重、むくみ、腹冷え、関節の痛み、気持ちの落ち込みなどが生じやすいので、鳩麦や小豆をお米に混ぜて炊飯すると、湿の排泄に役立ちます。
冬瓜、胡瓜、トマトなどの瓜類は身体を冷やしますが、加熱調理をすると食性が変わり、利水作用が高まります。
同時に、紫蘇、生姜、パセリなどの芳香化湿類や、シナモン、胡椒などの温裏類を合わせて調理すると、冷えと湿から身を守る事ができます。

逆に、普段から身体が乾燥しやすかったり、便秘、暑がり体質の方は、外湿が高いために汗がかけない傾向になり、身体に熱と湿がこもる湿熱状態に移行しやすいです。
湿熱の邪は、化膿しやすい、渋り腹、膀胱炎、腹水などのトラブルをもたらしやすい特徴があります。
揚げ物や、海老、ニラ、ニンニク、唐辛子などの温熱性食品やアルコールの摂りすぎに注意し、夏野菜を積極的に召し上がってくださいね。

2015年5月8日金曜日

口内の清潔が、誤嚥性肺炎を予防

口内の清潔が、誤嚥性肺炎を予防

高齢者の死因で大きな割合を占めるのが、誤嚥性肺炎です。
歳と共に、嚥下能力が弱り、飲食物が息道に入り、むせる回数が増えてきます。
嚥下能力は、脳と密接な関わりがあり、脳の機能が低下すると、物を飲み込みにくくなります。
以前、脳の栄養剤(脳細胞の賦活、脳の血流促進、神経伝達物質の調整等の働きが期待できる新ノーゲン)を服用したところ、飲み込みそこねて、むせる回数が激減したという声をたくさんいただいています。

けれども、実はむせたり、咳込めるうちはまだ軽傷で、むせることができない、咳払いすることができない状態が、誤嚥性肺炎の本当の原因になります。
誤嚥を防ぐために、身体を起こして飲食することや、嚥下を助けるためのトロミ食が、養生食として取入れられていますが、それでも知らない間に肺炎を起こしてしまうのは、常時出ている唾液の問題です。

唾液には1ミリリットル中に約1億個の細菌がいると言われています。
腸内細菌の問題と同様に、甘い物の摂りすぎ、脂身の多い動物性タンパクの摂りすぎ等は、口腔内の細菌環境を悪化させますし、食後の口腔内の不衛生も、よくありません。
有害な菌が大量に発生した唾液が、気道から流れ込み、むせることができずに肺胞に入り込むと、抗生剤を使用しても、そのうちに繰り返し肺炎を起こすようになります。

こちらでは、食後の口腔内の衛生に、デンタルマスティックによるケアをお勧めしています。
マスティックは、ギリシャのヒオス島に自生するウルシ科の木から採取される樹液で、ピロリ菌、消化管粘膜の炎症、歯周病、虫歯の原因菌に対する除菌効果を有しています。
食後の歯磨きは勿論、空腹時や就寝前に、マスティククリーム(歯磨き状)を指に取り、歯茎をやさしくマッサージするだけです。
マスティックは天然の抗生剤、抗炎症剤とも言われ、治癒力を促進し、副作用の心配もありませんので、誤嚥性肺炎を心配しながら介護生活をしておられるご家族に、とても喜ばれています。