2015年4月28日火曜日

初夏にお勧めする肝の養生

初夏にお勧めする肝の養生

*この季節に増えてくるご相談は?

その1,皮膚症状や鼻水、咳などのアレルギー症状
その2,めまい、耳鳴り、動悸、不安、不眠などの自律神経が関係する症状

*どうしてこんな症状が増えるの?

どちらも、中医学で言う”肝”の働きととても関係しています。
肝には疏泄と蔵血の働きがあるといいますが、それを現代医学的に置き換えると、解毒と自律神経の調節とみることができます。

肝は血液をたくさん溜める臓器で、環境の変化や体にかかるストレスの状況に応じて、各臓器への血液の分配をコントロールしたり、血管の伸び縮みや、消化管の活動などを司ります。
したがって、血液が十分で、肝の働きが充実していないと、暑さ寒さや急なストレスに対応する力が低下し、めまいや動悸等の自律神経の不具合を生じます。

また、春は冬場に溜めた老廃物を一気に解毒してゆく季節でもあります。
それに加えて、ウイルスや花粉、黄砂、そして毎日の食事からの添加物、余分な糖分やアブラ、化学物質、そしてストレスから生じるホルモン等も解毒してゆかなければなりませんから、この時期の肝はとてもオーバーワークな状態にあります。

*肝の働きを助けるにはどんな養生がありますか?

1解毒を高める養生
○甘い物、脂物、味の濃いものの摂りすぎを避けて腹七分
○タンポポや切り干し大根のお茶、大根おろし、りんごおろしなどで解毒を助ける
○半身浴で肝腎を温めたり、ビワの葉湿布などによる肝の手当て
○午後10時~午前2時のゴールデンタイムに眠っていること

2肝血を作り疏泄を高める養生
○赤身の肉、魚、貝類、イカ、タコなど造血力に優れた食品をとる
○プルーン、干しぶどう、黒豆、小豆、黒胡麻、木耳など黒い食べ物と、パプリカ、トマト、ブルーベリー、ブロッコリー、小松菜、人参、かぼちゃなど色の濃い野菜も肝血を補う
○大豆食品が脳の疲れをとり、精神ストレスを和らげる

*具体的なお客様の声は?

★春先になってアトピーがひどくなり、首筋や肘の裏、膝の裏が真っ赤になっていた。

確かに、炒め物を食べたり、チョコを1粒でも食べた翌日は悪化することに気がついた。

タンポポ茶や切り干し大根茶を作り、食べ過ぎに気をつけて養生したら、状態がよくなっていった

★更年期を迎え、ここ数年この季節になると、めまい、動悸、精神的な落ち込みなどで、自信をなくしていたけれど、納豆や豆腐などの大豆食品を1日1~2食取入れたり、大豆などが原料の漢方を取入れることで、状態が改善して、気持ちが落ち着いてきた

2015年4月7日火曜日

この季節に多い風寒風熱錯雑症

この季節に多い風寒風熱錯雑症

三寒四温で気温の変化がめまぐるしいこの季節、体の中も同じように揺さぶられているのを感じます。
先日、気になっていたお墓掃除に出かけ、すぐ近くの公園の桜を楽しみましたが、何となく体がだるく様子がおかしいな~と思っていたら、扁桃腺やリンパ節が腫れてきて、全身の節々が痛み出し熱も上がってきました。
西洋医学的には、B型インフルエンザが怪しいか?と言うような症状です。

中医学的に見てみますと、舌は全体が赤、特に舌先の赤がひどい、脈数滑、尿薄黄、便秘、喉の乾き、喉の痛みが激しい、声が出ない、首リンパ節の腫れ、耳下腺の腫れ、熱37.8・・・ここまでは風熱症の特徴

激しい悪寒、節々と筋肉の痛み(寒邪の特徴の凝滞性・・・気血が巡らず痛みが起きる、収引性・・・筋肉の痙攣、収縮、痛み)・・・風寒症の特徴

さあ、困りましたね!こうなると使う薬も反対になるわけですから・・・。
でも、臨床ではこのようなことが日常よく起こります。

今回、どのように治したかをご紹介してみますと・・・。
まず、自分はもともと陰虚の傾向にあるところへ、風寒の邪が入り、表が閉じてしまった。(毛穴が閉じ、筋肉が収縮)
その結果、内熱が籠もり、炎症の症状が出ている・・・とみて、ぬるめ~だんだんと熱くするお風呂に入り、湊理をゆるめたところ、節々の痛みが和らいできました。
そして、すかさずタンポポ茶と銀翹解毒丸で清熱解毒、辛涼解表したところ、夜中に大汗をかいて、3回着替え、2日目の朝にはスッキリしました。
入浴は体力がある場合にしかできませんので、場合によっては、麻黄湯と銀翹散+柴胡剤を微調整しながら併用することもアリです。
ただし、状態がコロコロと変わってゆきますので、1服1服ごと処方が変わったり、微調整することが大切。
こちらの薬局の常連さんは、必要な置き薬を揃え、微調整する技を身につけておられるところがスゴイです!

2015年4月1日水曜日

帯津良一先生のお話をきいて

帯津良一先生のお話をきいて

先日の姫路、WAHAHAの会(木元聖花先生主催)での帯津良一先生のお話をお聞きして、さっそく私も自分の人生を見つめ直してみました。
帯津良一先生は、ホリスティック医療の日本の先駆者で、多くのガン患者さんが全国から集まる帯津三敬病院の名誉院長・・・患者さんが帯津先生のことを神様と崇拝されるような穏やかで温かいオーラを持った先生です。

先生のお話は、とにかく愉快で機智に富み、非常にレベルの高いお話をされているのにもかかわらず、なるほど・・と頷けるような・・・そしてどんどんと先生の世界に引き込まれてゆきます。
患者さんは勿論、各界の多くの方々とのご交流や、膨大な書物を読みこなしておられることから、何倍もの人生を生きてこられたようなご体験が、聴く人の心を捉えて離さないのでしょう。

自然治癒力を高めるには、場のエネルギーを高めることが重要だとおっしゃいます。
すなわち、その場の環境、そして1人1人の意識エネルギー、志というもの・・・。
それには、折に触れて死(虚空)を思い、そこへ向かうために今何をするか?
それがわかると、一瞬たりともムダがなく日々トキメキの中に生きることができると・・・。

先生のトキメキは何ですか?と尋ねると
毎日の晩酌、お昼のトンカツ、女性、仕事をあげる、原稿が仕上がってゆく、太極拳の流暢な動き・・・等一瞬一瞬がトキメキの連続で、常に命のエネルギーを高めておられるのだなぁ~と感じます。
歳を重ねても、凛として矍鑠と、粋に生きておられるその波動がジンジン伝わり、こちらの背筋も伸びてきます。

私も毎日、患者さんと接し、難病で悩んでおられる方々の、病の原因を一緒に探し、養生を伝え、音楽で和んでいただき、”ああ今日、ここへ来られてよかった!また来るのが楽しみ!”と思っていただくことを天職としています。
そのために、この内容の質を高めてゆきたい・・・と思うと同時に、自分自身の養生を心がけ、極めて自然に虚空に旅立つ事が出来るよう、意識エネルギーを凝縮してゆきたいと思います。
お婆ちゃんになっても、可愛らしく、人としての艶っぽさを失わないような・・・そんな生き方が目標です。