2014年12月27日土曜日

介護を考える

介護を考える

日本は超高齢化社会に突入し、80歳以上の人口が爆発的に増えています。
生活環境や医療の発達により寿命が延びていますが、残念なことに元気で自立できている方はほんの一握りで、何らかの支援や介護を必要としている方が圧倒的に多いのが実情です。

野生の生き物は、物が食べられなくなり、足が弱れば自然に淘汰されるので、子育てをしても、介護をするという現象はみられません。
介護は人間特有の行為であり、人が人である由縁のものであると考えられます。

元気で長生きし、ピンピンコロリの大往生は、全ての人の願いであると思いますが、なかなか思うようにはいかないのが、悲しいところです。
超高齢化を迎え、誰もが、理想的な介護のあり方や、よりその人らしい終末の迎え方を考える時代がきていると思います。

私自身も祖母を7年、実父を13年介護し、2年前よりまた新たな介護生活が始まっており、振り返ると、物心ついて人生の半分を介護に費やしています。
介護とは全く無縁の方もありますが、人生変わる苦で、これはもう、自分に与えられた行と悟るより仕方がありません。
自分が成長するために天から与えられた贈り物なのでしょう。
したがって、介護生活を受け入れ、より良い方向を模索する智慧を養いながら、日々
行をこなして行こうと考えています。
ただし、自分の力量を超えてしまうと、心身ともに傷めることになりますので、うまく息抜きしたり、気分転換しながら、楽しく臨めることが大切です。

逆に、介護を受ける方の心というものも、大変に複雑です。
自分自身の現状の受け入れが出来ている方であれば、お世話する人をも受け入れ、”ありがとうね!”の気持ちの良い関係が築けますが、”こんなはずでない、こんな状態は自分として許せない、情けなくてたまらない・・・!”
という心持ちですと、介護されればされるほど、自尊心が傷つき、有り難いどころか、全てが腹立たしく、口調もより支配的になります。

するとついつい、介護する側もストレスが溜まり、嫌気がさしてしまいますが、人はすべて生い立ちも育った環境や経験、そして考え方も違い、素直に受け入れられない側面ももっていて当然の生き物なんだ!と思うことで、随分と楽になります。

介護を続ける中で、双方が少しづつ歩み寄り、人生の最終ステージを一番素敵な関係を築けて締めくくることができたら最高ですね。
介護は双方に、辛い、しんどい・・・というイメージが大きいと思いますが、最高に徳を積ませていただける行為でもあります。
多くの人が、一度は通る道・・・人間らしい智慧を養い、素晴らしい逝き方、見送り方を獲得してゆくことは、人類の貴重な財産でもあると思います。

2014年12月24日水曜日

正月後のお手当て

正月後のお手当て

皆様は、どんなお正月を過ごされましたでしょうか?
クリスマス、忘年会、お正月、新年会と、楽しい行事が目白押しだったのではないでしょうか?
普段は養生で少食にされている方も、ついつい食べ過ぎてしまうのが、年末年始ですね。


★さて、お正月明けの体は、どのような状態になっているのでしょうか?
お節は、保存性が優れた食品のため、糖分、塩分、そして保存料などもふんだんに入っています。
又、パーティーには、肉類の揚げ物などがつきもの、そして、すき焼きや豪華なケーキなどが続いていませんか?
これらによる影響を考えてみますと

1,過剰な糖分と油脂により、胃腸の消化機能が低下し、消化不良、膨満感、胸焼けなどを起こしやすい

2,消化に時間がかかるため、胃腸に血液が集まりやすく、他の部分は冷えやすい。
その結果、肩こり、腰痛、寝違いなどを起こしやすい

3,未消化のタンパクが血中に増えることで、アレルギーや皮膚トラブルを起こしやすい

4,胃腸がオーバーワークであると、代謝が落ちて疲れやすく、体が重だるく気力が湧かない

5,解毒にエネルギーがとられ、免疫力が低下し、ウイルスの処理能力が低下するため、風邪やインフルエンザに罹りやすい

★心当たりがある方は、以下のような養生をなさってください。

1,胃もたれや肩こりなどを起こしている方は、食前に大根おろしをいただきましょう


2,ご馳走が続いた次の食事は、葉物のたくさん入ったお粥(七草粥など)がお勧めです

3,添加物などが多い外食をした後や、既製品のお節を召し上がったあとは、干し椎茸と、切り干し大根のスープで解毒しましょう。

4,動物性のタンパク質や、揚げ物、ケーキなどが続いた後は、香味野菜の解毒スープ(トマト、キャベツ、玉葱、生姜、パプリカ、セロリ)が、脂肪の代謝を助けます。

5,大根、かぶら、りんご、グレープフルーツ、パイナップル、山査子などは消化を助ける食材です。

6,腹7分にして、食後に10分ほど散歩する習慣をとりもどしましょう。



2014年12月17日水曜日

ピンピンコロリの大往生

ピンピンコロリの大往生

先週は、思いもかけない青天の霹靂なる出来事がありました。
こちらの養生体操の生徒さんで、90歳を超えて最年長で、いつも息子さんとともに参加してくださっていたEさんのお話です・・・大変に体が柔らかく、元気いっぱいで、品の良いユーモアに溢れた方でした。
皆様から”こんなお年寄りになりたい!!!”とあこがれの的で、人気者だったEさんが、その日も元気に体操に参加してくださり、その30分後に突然息をひきとられました・・・。
体操後、息子さんとランチに行かれ、”天ぷら蕎麦にしてください!”と元気に注文された直後に、突然意識を失われ、そのまま苦しまれることもなく旅立たれたそうです。

Eさんの口癖は、”本格的に寝付いて若い人達にお世話をかける前に逝きたい”
だったそうで、本当にその言葉通りに、最期まで元気にご自分の人生を生き抜かれ、見事な形で天に昇られました。

あまりにも突然の出来事で、ショックで言葉を失いましたが、1週間たち、Eさんとご家族にとって、一番望まれた最期であったと思えるようになりました。
このような最期は、なかなか迎えられるものではなく、誰もが望むのではないでしょうか?
私の母も、いわば寝込むことのない突然死でしたが、56歳ではあまりにも早すぎた感があります。

私が思うに、このような最高の最期の迎え方をされたEさんには、日頃からやはり、それなりの素質があられました。
90歳のお誕生日を迎えられたときに、私が”元気でこのように長生きされている秘訣を教えてください!”とお尋ねしたところ、いくつか教えてくださったことを、Eさん語録としてあげてみますと・・・。

1,買い物から食事の支度に至るまで、自分のことは全て自分でやるのよ
2,若い人には、若い人の生活があるから、極力負担をかけたくないの
3,私は自由気ままにやってますからね、何の不平不満もないのよ、本当に毎日が”ありがとう”の気持ちでいっぱいなの、やっていただいたら、”ありがとう、ありがとう”ですね!
4,何か、私に出来ることがあったら、言ってくださいね・・・私でも皆さんに役立てることがあると嬉しいの
5,夜に物事を考えると、ろくな考えが浮かばないから、夜は寝て、朝になったらおひさまを見ながら考えるのよ
6,1人でも、栄養を考えて、色々手作りしますよ
7,体を動かすことやお出かけも大好き、歩かないとダメね
8,本を読んだりして過ごす時間が好き、お喋りも好き、私、ちょっとしたことでも幸せな気分になれる性分なの
9,人は人!私は私、あまり余計なことは気にしないのがよいのかしら?・・・等々

若い頃から、人のために尽力された人生であったとお聞きしました。
心の持ち方から、生活習慣に至るまで、元気で長生きの養生を貫かれたEさんに、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、”ありがとう”の御礼を申し上げます。

2014年12月3日水曜日

インフルエンザとワクチン

インフルエンザとワクチン

インフルエンザのシーズンを迎え、店頭では”ワクチン打った方がようですか?”
という質問をよく受けます。
結論としては、ワクチンを打ったところで、感染を防ぐことはできないですし、重症化を防ぐという文句に対しての裏付けもありません。

2009年の新型インフルエンザの時には、基礎疾患のあるお年寄りに最優先で新型インフルエンザワクチンの接種が行われましたが、ワクチン接種後に亡くなった方が133名に昇り、それに対し、実際にインフルエンザに罹って亡くなった方は70名だったといいます。
つまり、インフルエンザで亡くなる方よりも、ワクチン接種後に亡くなった方の方が多いということ・・・。
特に80歳以上の高齢者では、長い歴史を生きてきた中で、新型ウイルスの型に対する抗体を獲得している方が半数以上あるとのことで、若者よりもインフルエンザに罹りにくいという事実があり、わざわざワクチンを接種して危険にさらされる必要はないと思うのです。

それよりも、体の内部環境である免疫力を高めてゆきましょう。
それには、血液が過剰な糖やアブラ、未消化のタンパク質でゴテゴテに汚されていないこと・・・すなわち食べ過ぎを避けて腹7分にしておく。
そして、遅くとも午後11時には就寝して、解毒力をしっかり働かせることです。
体を温めることも大切です。
足下が冷えると、その血液が内臓にもどってゆきますので、お腹が冷えてしまいますから、足の内側を特に温めてください。

そして、人混みに出かけたときや、ちょっと喉がおかしい・・・などと感じたときは、ウイルスを直接解毒排泄するタンポポ茶を素早く1袋服用ください。
風邪は万病の元・・・早めの手当てが肝心です。

2014年11月12日水曜日

お腹の食箋・・・りんごの葛練り

お腹の食箋・・・りんごの葛練り

これから宴会やパーティーのハイシーズンに入りますね。
普段、食養生している方も、ついつい飲み過ぎ、食べ過ぎで体調を崩しやすい季節です。

食養生している方ほど、動物性のタンパク質や脂にたいする消化酵素が作られなくなっていますので、一般の方と同じように一人前食べてしまうと、お腹を壊す原因になります。
気持ちよく下ってしまうならまだ良いですが、逆に消化できずに詰まってしまうと、腸閉塞に一歩手前になり、大変苦しく、一気に体調を崩すこともありますので、十分にご注意ください。

消化できない未消化のタンパク質は、腸内で悪玉菌の餌となり、腸内環境を乱す他、腸壁が傷つけられて、腸粘膜に炎症を起こしてゆきます。
分子量の大きなタンパク質が、壊れた腸壁から吸収されると、アレルギーや慢性炎症の引き金になります。
これを防ぐには、通竅で、消化管粘膜の慢性炎症を癒すことと、お手当て食として、”りんごの葛練り”を食べることです。

りんごの葛練りは、保温と保湿、そして腸の新陳代謝を回復させる、お腹の特効薬です。

葛粉のデンプン質のきめ細かな粘り気が腸壁を覆い、腸の荒れを防ぐと同時に体に必要な水分や養分をとどまらせて下痢やお腹の張りを回復させ、解熱やけいれんを抑える効果も期待できます。

材料・・・1回分
りんご1個、水大さじ3
本葛粉大さじ1.5 水大さじ3

作り方
1,1~2センチの銀杏切りにしたりんごと、大さじ3の水を加えて火にかけ、ふたをして蒸し煮する
2,りんごが透明になってきたら、2倍の水で溶いた葛を流し入れ、練り混ぜる

★食べ過ぎた翌日は、お腹が回復するまで、この食箋でお手当てしてくださいね。

2014年11月11日火曜日

睡眠学習

睡眠学習

私が受験生の頃、睡眠学習というのが流行っていました。
暗記物をQ&A形式に録音して、それをテープレコーダーでかけて眠ったり、英会話を流したまま寝たり・・・。
睡眠学習は、寝ている間に潜在意識に刷り込ませるというもの・・・。
学生時代は、かなりこれで効果が上がっていたように記憶しています。

これを思い出して、ここのところ毎晩JAZZのスタンダードから1曲を選んで、夜通しその曲をリピートさせて、あまり耳障りにならない音量で曲を流して寝ています。
又、同様に車での通勤の行き帰り各20分も、同じ曲をリピートさせて、それに合わせて一緒に鼻歌で歌ってみたり、適当にオブリガードを入れたりしながら通勤しています。
あまり真剣にやると、そちらに気をとられて事故するといけないので、軽い気持ちで・・・これが潜在意識の回路を開いてくれると信じてやっています。

私はいつも2時間程度の講演をするときは、大筋だけ組み立て、後は聴いて下さる方の顔ぶれや反応に合わせて、殆どアドリブでお話しています。
これは、毎日何十年も、こんな仕事をしているから、頭の引き出しに資料がたくさんあるから、苦労なく出来るのだと思います。
日々の原稿を書いたり、患者さんに質問されて疑問な点などは、徹底して調べる作業をしていると、おのずと引き出しに内容が詰まってきます。

ところが、2年前から興味をもってやり始めているJAZZに関しては、全く引き出しがからっぽです。
スタンダードの曲のいろいろな演奏を聴いて、潜在意識の中にアドリブフレーズを刷り込ませることで、少しづつJAZZ語の引き出しを増やして行けば、いつかきっとそれがつながり、同じコード進行のときに、覚えたフレーズが、自分のものになって自然と飛び出してくるだろう・・・と信じて楽しみに、引き出し作りをしています。

脳にはネットワークという素晴らしいシステムがあり、あるところまで詰め込んでゆく作業をすると、どこかでパチンと回路が開き、昨日まで出来なかったことが、今日になって出来るようになる体験は、努力家の方なら誰でもあると思います。
昨日出来なかったことが、今日出来る・・・それは大きな喜びです。
いつか私も、どんな曲でも自由自在にアドリブできるJAZZフルーティストになる!!!
とワクワクしながら、毎日睡眠学習に取り組んでいます。
どこまでいっても生涯学習ですね♪・・・ボケ防止に頑張ります(笑)

2014年11月5日水曜日

忍法細切れの術

忍法細切れの術

忍法細切れの術とは、正式名を”菊地忍法細切れの術”といい、私のJAZZフルートの師である”菊地康正師匠”から教わったメソッドを、私が勝手に銘々したものであります。

これは、仕事や家事でなかなか楽器の練習に時間が回らない事情をお話したところ、”1日10分でかまわないから、今日は音出しだけの練習!とか決めて、10分間のタイマーをかけて集中するんだよ!時間が来たら、さっさと止めて、それ以上はやらずに、次のことにとりかかるのがコツ!”
と教えていただいたことに始まります。

なるほど、これは私にとってはとても新鮮な方法でした。
というのは、自分はけっこう凝り性の性格で、例えば原稿を書き出したら、できるまでとことんやらないと気が済まない・・・休みの日になると、フルートを8時間くらい吹いている、部屋の模様替えなどを始めると、終わるまでご飯も食べずにやっている・・・等々
その結果、当然、決めていて出来なかったことがいくつか生じてきて、自分自身に嫌気がさしてくるという結末。
この全てか無かの一極集中型が、歳と共に体力と時間を消耗し、思うような効果があがっていない・・・ということに気がつかされました。

それ以来、原稿を一つ書いたら、次は体を動かす、そして患者さんの相談が終わったら、10分練習する、その後原稿を書く、そして料理を作る・・・等
なるべく頭を使ったら、次は体を動かす、気を遣ったら、音楽をやって気を巡らす、また頭を使ったら、次は手作業をする・・・と細切れにその場その場を集中する訓練をしています。

これは簡単なようで、意外と難しいことです。
とくに物事に捕らわれやすい性格の持ち主にとっては、厳しい修行なのですが、これを身につけると多くの利点があり、生き方達人になることができます。
すなわち、

1,今、目の前のことに全神経を集中することができる
2,過ぎたことを悔やみ、先のことを心配する癖が改善される
3,気持ちの切り替えが上手くなり、ストレスが溜まらない
4,自分の観念にとらわれて、いたずらに時間が過ぎ去ることがなくなる
5,毎日の細かい積み重ねが、意外な上達や効果を生んでいることに気がつく

そしてその結果、ガンをはじめとする老化予防にもつながり、自然体で人生を楽しんでゆけることにも通じると思うのです。

あれもこれもやらなきゃ・・・でも出来ていない、あ~でもない、こ~でもないと考え、1日が過ぎ去ってしまった、嫌な出来事があるとひきずって、気が滅入ってしまった、ライブでアドリブ失敗したら、硬くなって次の曲が吹けなくなった・・・(苦笑)・・等の経験がある方に、”菊地忍法細切れの術”を是非お勧めいたします♪

2014年10月22日水曜日

漏肩風とは?

漏肩風とは?

漏肩風とは中医学の用語でいわゆる”五十肩”のことです。
漏肩風は、一側あるいは両側肩関節の重だるさ、疼痛、運動制限を主症とするもので、多くは過度の疲労に風寒の邪気が乗じて、肩の筋脈に侵襲して起こるものです。

年齢的に50歳前後で起こりやすいのは、この時期に男女ともに性ホルモンのバランスが変化しやすく、それに伴い骨代謝にも変化が生じて、骨が脆弱化しやすいためです。

これから冬場に向けて、漏肩風が増えてくるのは、就寝中にうっかり肩を出して眠ることで、肩関節周囲の筋肉が冷え、弱ったところに寒湿の邪が入り、筋骨を侵襲することが原因になります。

漏肩風はかなりの痛みと運動制限を伴いますが、鎮痛剤や湿布で冷やすとさらに血流が悪くなり治りが遅れますので、ビワ温灸などの温めるお手当てをお勧めします。
また、就寝中に布団から肩が出てしまう人は、大きめの毛糸のストールなどで、肩を保護してお休みください。

漢方では、松康泉といって、抗酸化作用があり、血流を増やして温めながら痛みを撮る方剤を用います。
原因が、過労や腎虚によるホルモンバランスの乱れが関与しているので、プラセンタ(ダブルリンクル)エキスや、骨砕補等の体質改善剤を併用することが基本です。

2014年10月14日火曜日

冬の養生

冬の養生

冬は閉蔵の季節・・・つまり陽気を鎮めエネルギーを蓄える時期です。
冬にエネルギーを発散しすぎると、陽気を失い老化を早めたり、生命力を損ないます。

若くて十分に体力がある方でも、夏の9割程度に・・・。
男性は56才以上、女性は49才以上の方は、夏の7割程度に・・・。
そして、手術や抗ガン治療などを、本年度受けられた方は、夏の5割程度に仕事量(活動量)を減らして、心身ともに温存することが大切です。

エネルギーの発散とは具体的に、仕事や家事、趣味の詰めすぎ、寝不足と過労、激しい運動のしすぎ、ダイエット、サウナなどで汗のかきすぎ、そして気の使いすぎによるストレスもこれに入ります。

冬至の日は日の出が午前7時頃、日の入りが午後4時半頃なので、日の出とともにゆっくり起きて、日の入り後4時間半~5時間半くらいの間で活動をとどめて就寝するのが理想です。

早朝の暗いうちや、日の入り後の散歩は、冷えて腎を傷めますので、日中の温かいうちに、気持ちよく散歩してください。
風雪、雨風が強い日は、邪気が入りやすく、健康の為に歩くのが逆効果になるので、自宅でストレッチや体操、郭林気功をされることをお勧めします。

私は冬4ヶ月(だいたい11月~2月)は、講演活動も少なめにして、いろいろな本を読んだり、原稿をまとめたりして、春からそれを紐解くことをとても楽しみにしています。
体も心も頭も、準備期間が大切なのですね。

2014年10月8日水曜日

冬にお勧めの薬膳

冬にお勧めの薬膳・・・骨髓のスープ

これから冬に向けて、腎を養い生命力を温存する季節に入ります。
そこでお勧めするのが、骨髓のスープ。
骨髓のスープは、気血津液精を養いますので、抗ガン剤治療などで白血球が低下した方や、貧血がある方、今年の夏に体力的にしんどかった方、すぐに風邪をひいてしまう方に特にお勧めです。

スープの具に長芋や、人参を入れると、さらに造血力が高まります。
本日の付け合わせは、鮭のワイン蒸しと、玉葱のソテーを塩胡椒とワインビネガーで味付けてみました。
鮭は、温裏作用でお腹を温め、玉葱やワインは活血作用があり、全体として養血して血液循環を高める、冷え性の方向きの献立になっています。

基本の骨髄のスープの作り方

材料
鶏ガラ又は、スペアリブ(鶏ガラは補気力強く、スペアリブは滋陰力が強い)
生姜1個をざっくりスライス
ネギ(白ネギの青い部分でOK)

作り方
1,ガラを熱湯で洗い、脂と臭みを落とす
2,寸胴鍋に水を入れて、ガラ、生姜、ネギを入れて1時間ほどコトコト煮込む
3,スープをこして、出来上がり (このスープをもとに、調理すればOK)

★貧血がある方は、四物湯を一緒に煎じ、トマトベースの味付けをすると、とても美味しいですよ♪
      

2014年10月1日水曜日

梅醬番茶が恋しい季節

梅醤番茶が恋しい季節

朝晩かなり冷え込むようになりました。
朝が弱い方(朝なかなか起きられない、朝は不機嫌、朝食が食べられない等)
は、脾陽が目覚めていない(胃腸が冷えて元気がない)ためです。

夏場は冷たい食べ物や、食中毒から胃腸を守るため、そして熱中症の予防にも、梅醤番茶をお勧めしますが、冬場は胃腸を目覚めさせ、体を温めて活力を湧かせる、風邪などの感染症から身を守るために、梅醤番茶をお勧めします。

梅醤番茶は、梅肉+すりおろし生姜少々+醤油小さじ1に、熱々の番茶を注いで作ります。

♪梅は酸味で、殺菌作用を持つほか、クエン酸の力で、エネルギー効率を高め、疲れを速やかにとります。

♪醤油は、アミノ酸+ミネラルで、体を引き締めます。

♪生姜は、解毒と発汗促進、抹消の血流を改善し、凝りや疲れを取り去ります。

♪番茶は、体を穏やかに温め、胃腸に優しいお茶です。

吐き気を鎮め、消化吸収を助ける働きもある梅醤番茶は、特に胃腸が弱く、冷え性の方にお勧めです。

*毎日の手作りが面倒な方・・・保健室にて、スティックタイプの梅醤番茶の元を販売していますヨ♪

2014年9月17日水曜日

デング熱を内から予防する

デング熱を内から予防する

デング熱は、1945年~1950年にかけて、東南アジアから帰国した復員兵から持ち帰られたウイルスが、日本にも生息するヒトスジシマカにより媒介され、長崎、佐世保、広島、神戸、大阪などで流行し、20万人が発病した歴史があります。
その後2014年まで、大きな流行はありませんでしたが、今年、東京を中心に流行があり、その対策が急がれています。

今年は、5月後半~9月前半まで、湿度が高くジメジメと蒸し暑い気候が続き、日本もいよいよ熱帯性の気候になったのか?
と思うほどの天候でした。
湿と熱が結びついた湿熱性の気候は、ウイルスが繁殖、増殖したり、変異をとげるのに、最適な条件を満たしています。
本来、ヒトスジシマカでは、デング熱ウイルスの増殖力は小さいと言われていますが、今年の気候がそれを助け、大きな問題になっています。

関東地方の在来線では、防虫剤のニオイで、むせるほど・・・とお聞きしましたが、外からの防御に加え、仮に蚊にさされても、発病させない、そして重症化させないための、内からの防御がもっと大切です。

繰り返しますが、今年の気候により、私たちの体も湿熱傾向になっています。
デング熱は、栄養状態の良好な子供や、若者、そして糖尿病の患者さんで重症化しやすいと言われていますが、これは何を意味するかというと、血液中に、糖分、脂肪、未消化のタンパクなどが溢れかえり、湿熱が盛んになり、これがウイルス増殖の為に適したエサになる!のです。

従って、大切なのは満腹になるほどご馳走を食べないことと、解毒の養生です。
1日1袋、感染の可能性があるときは、1日3~5袋のタンポポ茶(ショーキT1)の服用は、ウイルスの解毒排泄(T1配糖体が、鎖にウイルスを抱き込んで排泄)に大変に有効です。
現在、デング熱が話題になっていますが、水面下ではインフルエンザをはじめ、様々なウイルスが強力に変異をとげている可能性があるので、すべての温病(伝染性熱病)の予防に、是非タンポポ茶を常備してください。

薬局スタッフファミリーそして、薬局常連さんは全員飲んでいます♪


2014年9月10日水曜日

秋の養生法

秋の養生法

今年は例年になく湿気が多い期間が長く続き、脾胃を傷めた方が多いかと思います。
冷たい物の摂りすぎ、熱中症の予防に・・・と水分を摂りすぎて、胃液が薄まり、食欲が低下して、十分な栄養が体に供給されていなかった方々は、免疫力の低下が心配です。
秋は空気も乾燥し、脾胃の機能が回復してきますので、夏場に不足した肉、魚などの動物性タンパク質や、野菜、きのこ、海草類などを、しっかり補給してください。
これらが、血肉骨の源になります。

夏場に汗をかきすぎて、夏やせした方、貧血気味、朝がしんどい、めまい、立ちくらみ、便秘、喉がいがらっこい、空咳・・・などの症状は、津液不足(体液消耗)からきています。
豆腐、豆乳、白胡麻、ぎんなん、百合根、松の実、ほたて、貝類、そして淡黄色野菜など体を潤す働きのある食材を補給してゆきましょう。

ココナツオイル、オリーブオイル、アマニ油などを、サラダやスープに生で垂らして召し上がるのもOKです。

保健室では、津液不足の症状に対応する漢方食品として、ツバメの巣(湧生源)をご用意しています。
ツバメの巣には、免疫機能に深く関係するシアル酸が大量に含まれ、乾燥による免疫機能の低下、老化予防に有効です♪

2014年8月13日水曜日

ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒

先日、家族がいつもと同じように、いつもの食事をした直後に、突然、全身に発疹が現れ、まぶたが赤く腫れ、そのうちに呼吸が苦しくなり、痰が絡み、動悸がする・・・などの症状に見舞われました。
頭もしびれたような感じになり、気分が悪くなり、どうなるかと思いましたが、タンポポ茶を飲み、次第に収ってきて、30分ほどですべての症状が消失しました。

食べたものは、賞味期限が2日ほど切れた”あんデニッシュ”、ヨーグルト、ちりめんじゃこ、漬け物でした。
暑いキッチンに置いてあったパンだったので、パンの油が酸化したことも考えられましたが、それこそ添加物いっぱいのパンで、2~3日期限がきたくらいのものは、今までにもあったので、調べていたところ、夏場にヒスタミン食中毒というのが、多発していることがわかりました。

これはヒスチジンというアミノ酸を多く含んだ、カジキ、マグロ、カツオ、イワシ、サバ、サンマ、アジ、ちりめんじゃこ、ワイン、チーズなどが、微生物(ヒスタミン産生菌)代謝されて、ヒスタミンが生じるもので、外観の変化や悪臭を伴わないのが特徴です。

特に20~25度以上の温度で繁殖しやすいのですが、5~10度以下(冷蔵庫で保存)でも生成されるようです。
夏場に、冷蔵庫の開閉を頻繁に行うと、庫内の温度が上がります。
使いかけのちりめんじゃこを3~4日、入れたり出したりしていることに気がつきました。
賢い主婦は、ちりめんじゃこも、パンも冷凍保存しているようです。
冷蔵庫も夏場は過信してはいけませんね・・・・。

特に今年は、湿度が高い日が続き、玄米や乾物に虫がわいたり、油の酸化もとても早いなど、尋常でない気象が続いているので、皆様もご注意くださいね♪

2014年8月12日火曜日

納豆コラム

納豆コラム

先日、大垣市かがやき成人学校の”漢方専門薬剤師の病知らず養生術講座”で、納豆の効用について講義をしていた際に、
”先生、納豆はもともと腐っているから、賞味期限切れでも大丈夫!とか、腐りかけの納豆が美味しい!とか聞いたことがありますが、納豆が腐っているかそうでないかを、どのように見分けるのですか?”
という、ゴツイ質問がきました。

そういえば私も半月くらい賞味期限が過ぎた納豆を、平気で食べたりすることがありますが、厳密に調べたことがなかったので、夏休みの宿題として調べることにしました。

そもそも、発酵と腐敗の定義とは何か?
を調べたところ、どちらも微生物による分解作用により変化して生じたものですが、その中で人体にとって有益であれば発酵、害があれば腐敗と言う!との事。
身近な例で言うと、微生物が糖を分解することで食品の旨みを出したり、保存性を高め、人に有益な作用をもたらした場合を発酵といい、逆にタンパク質を分解することで起こる毒素や悪臭、健康に有害で毒性のあるアンモニア、アミン、インドール、スカトールなどの物質を作り、人体に有害な作用をもたらす作用を腐敗と言う・・・とあります。

糖分でも腐ることがあるし、タンパク質でも、チーズや納豆のように発酵することもある。又、同じ乳酸菌でもその条件により発酵させたり、腐敗させたりという場合もあり、まさに発酵と腐敗とは紙一重ですね♪

で、結局は自分の感覚を大切にすることが大切なのですが、まずはカビが生えていないかどうかの確認と、納豆は古くなり良くない状態ではアンモニアが発生し、強い刺激臭があるということですので、そのような状態であれば口にしないことですね。

賞味期限と、消費期限とは違いますが、期限切れを食べて何か生じた場合には自己責任となりますので、ご注意ください。

2014年8月7日木曜日

豆乳ヨーグルトの勧め

豆乳ヨーグルトの勧め

健康のためにヨーグルトを食べておられる方が多いと思いますが、ガン養生中の方には豆乳で作ったヨーグルトをお勧めいたします。

牛乳から作ったヨーグルトは
1,未消化のタンパクが腸壁を覆い、悪玉菌のエサになりやすいこと
2,動物性のタンパクが、代謝の段階で肝に負担をかけやすいこと
3,環境ホルモン(外因性のホルモン、化学物質)を取り込みやすいこと
などの理由から、体に良いから・・・といって摂りすぎないように注意をしていただいています。

ガン細胞は、糖分を非常に好み、ビタミンCを嫌う性質があります。
糖質の摂りすぎを制限し(血糖値の上昇を防ぐ)納豆や豆乳ヨーグルトを摂取することで、酵母、乳酸菌の働きにより、発酵時に糖分がビタミンCに変換される働きがあります。

ビタミンCはグルコースと構造が似ていることから、ガン細胞が間違えて栄養源として取り込み、その結果、ガン細胞に対する毒性が生じて弱ってゆきます。
ガンの治療法の一つに、ビタミンC大量投与療法があるのはこのためです。

豆乳ヨーグルトは、市販のものも出回っていますが、小腸のパイエル板に作用して、免疫を調整する働き+腸内細菌を整える働きのあるナノ型乳酸菌ーBRM200・・・商品名:腸活一兆(50袋入り 税込み6912円)を使って、簡単に手作りすることができます。

免疫アップ♪豆乳ヨーグルトの作り方

材料 成分無調整豆乳500CC、腸活一兆5袋

作り方
1,豆乳を37~39度に温める(乳酸菌、酵母が発酵しやすい)
2,腸活一兆を5袋(ナノ型乳酸菌5兆個)入れる
3,熱消毒したタッパーなどの容器に入れて、よくかき混ぜ3~5時間置き、豆乳が固まったら、冷蔵庫で保存する

朝晩、お湯のみ1杯分ほどいただくのがお勧めです。
ガンの養生で摂られる方は、プレーンの状態でどうぞ♪
ご飯、パン、麺類、お菓子などの炭水化物も同時に摂らないようにご注意ください。

2014年7月30日水曜日

熱中症体験

熱中症体験

先日、軽い熱中症体験をしました。
それは、クーラーがかかった車内にいて、その後に暑い外に出るの繰り返しを3回ほどした後に起こりました。

長時間、車で移動し、涼しい車内にいた後に、外に出ると、涼しさにより肌表が閉じており、容易に汗がかけない状態になっています。
そのような状況で、かなりの距離を歩いたり、坂道を必死で歩いたりすると、急激に体温が上がってきても汗をかいて放熱することができず、とても危険です。

気温が37度近くあったために、末梢の血管は開き、そちらへ血液が出払っているために、脳と心臓は軽い虚血状態を起こしており、思考力もまとまらず、何となくしゃべりにくい、目もかすんだ感じ、手足の筋肉が震える、心臓がバクバクして息苦しい、頭がクラ~として鈍い痛みがあり、動くとムカムカして気分が悪い・・・これ以上歩けないなぁ~~~。
というような状態になり、急いで車内に戻って体を休めました。

五苓散や黄連解毒湯、牛黄などの利水清熱剤もたまたま持ち合わせていなかったのですが、財布の中に普段は使わないロキソニン(清熱剤)が1錠、たまたま入っていたので、服用し、内関ー公孫のツボ押しと足首のもみほぐしをしたところ、15分ほどで回復しました。

熱中症は、元気な方では、まさか自分が!という思いもあり、これが熱中症の初期?とわからないまま、進行する場合が多いですから、上記のような症状が現れたら、すぐに涼しいところで休憩してください。
特に、普段から屋内で涼んでいる方は、暑さに対応しにくい体になっていることを自覚して、養生なさってくださいね♪

2014年7月24日木曜日

納豆の効用

納豆の効用

納豆生活に入り、約1ヶ月になります。
(納豆生活とは、ほぼ毎食前に納豆を1パック食べていること)
これが、思いの外、体調がよくて、びっくりしています。

納豆には、体の代謝に関する各種酵素、抗酸化物質、腸内の免疫を上げる働き、血液サラサラ効果、保水作用、排毒作用などがあり、一つで多くの働きをもつ、夢のような食品です。
その作用について、詳しくみてみますと、

1,大豆イソフラボンを1パック中60~75ミリ含み、エストロジェンに構造が似ていることから、エストロゲンレセプターを刺激することができ、女性ホルモンの不足症状に対応できる・・・各種更年期症状に対応でき、骨も丈夫にする

2,体操、ストレッチ、筋トレ、散歩などの後に食べることで、タンパク同化作用が高まり、脂肪を燃やし、筋肉が増えて、基礎代謝がアップする
筋力が高まることで、腰痛予防等になる

3,腸内免疫を整え、排毒作用を高めることで、各種化学物質の毒、余分なコレステロール、脂肪酸、糖分などを解毒排泄(便通良好)する

4,保水性の食物繊維が多く、小腸からの脂肪吸収、糖質吸収を穏やかにする

5,血液の粘性を抑え、血流をよくして、夕食に食べると、夜中の血栓形成を抑制する・・・等々

納豆生活2週間目~あれほど不快だったホットフラッシュがなくなり、関節の痛みもなくなってきて、3キロほど体重も減りました。
そして、体脂肪は6%減少!!!
お肌にもハリが出てきて、大変ゴキゲンです。

納豆のイソフラボンは、乳ガン等治療中の方でも心配ありません。
タレを入れる前に、100回ほどかきまぜ、よく粘りを出してから召し上がると効果が倍増しますよ。
もずくや、キムチなどと併せても効果が高まります。

2014年7月16日水曜日

夏型過敏性肺炎

最近目立って増えているのが「なんだか熱っぽくて咳が止まらない。夏風邪でしょうか?」と云うお客様です。

他には目立った症状がないので、市販の風邪薬を飲んでいたがすっきりせず、良くなる日もあるが悪くなる日もあり、延々と2~3ヶ月続いている・・・というパターンが多いようです。

また、朝は比較的落ち着いているけれど、時折痰が絡んだ咳発作があり、1日終わる頃には、声も枯れてしまい、体がヘロヘロになるというもの・・・。

こんな症状でお悩みの方は、”夏型過敏性肺炎”あるいはそこまでいかなくても、過敏性の呼吸器症状の可能性があります。
特に、エアコンをつけると、咳が出始める!という方は可能性大です。

夏型過敏性肺炎は、日常の生活環境にある台所、浴室、エアコンの吹き出し部などに繁殖している”トリコスポロン”という黒いカビを知らず知らずのうちに吸い込むことにより、過敏症を起こして発症するもので、6月~10月の高温多湿の夏期をピークに発症し、ここ数年でとても増えている疾患です。(日本の夏が熱滞化してきているため)

咳発作は長引けば長引くほど、体力を消耗して治りにくくなり、それにストレスや寝不足、過労が重なれば、一気に悪化しますので、いち早く養生することが大切です。

夏型過敏性肺炎の予防法は、直接の原因であるトリコスポロンの増殖を食い止めることにあるので、日当たりや風通しにお悪い湿気の多い台所、洗面所、風呂場などにある腐木、マット、畳、寝具、そしてエアコンの吹き出し口などを消毒処置することです。

消毒方法は次の手順で行います。
1,除去・・・カビ臭いものは、可能な限り捨てる
2,乾燥・・・まずは日光干し、扇風機等で乾燥させる
3,消毒・・・消毒用アルコール、又はキッチンハイターで拭き掃除
4,乾燥・・・消毒後に再び乾燥

もともと喘息やCOPDがある方では、咳発作や声がれが続くと消耗が激しくなりますので、なるべくアレルゲンから遠ざかる他、すりおろし蓮根を手当て食とし、通竅を1日4回ほど服用してください。
肺陰を補い、体を回復させる百合根、山芋、そして生脈紅景天もお勧めです。

2014年7月10日木曜日

夏の養生

夏の養生

夏は五臓のうち、心の働きが最も活発になります。
暑さにより汗をかきますが、汗は心の液ともいわれ、毎日、大量の汗をかくと、心気を消耗し、動悸、息切れ、胸苦しさ、不眠、不安、落ち着かない・・・などの症状が現れ易くなります。

これを防止するためには、怒らず、イライラせず、頑張りすぎず、心を穏やかにして心気を養うことが大切です。
夏は日の出とともに起床して、涼しい時間に、体を動かしたり、大切なことをすませるのがよく、最も暑い日中は、20~30分程度のお昼寝をして、体を休めるのがよいとされます。

冷房や風に、直接長時間当たる、冷たいものや生ものを摂りすぎる・・・は、陰陽のバランス(自律神経のバランス)が崩れるので、気をつけましょう。

夏のお勧め食材は
1,清熱解暑、生津止渇作用のあるもの・・・そば、レタス、トマト、なす、きゅうり、もやし、スイカ、ウリ、納豆、豆腐、緑茶等

2,心熱を冷ますもの・・・ニガウリ、きゅうり、レタス、緑茶等

3,養心安神作用のあるもの・・・百合根、なつめ、らっきょう、豆乳、そうめん等
です。

特に、喘息やCOPD,肺気腫、風邪を引きやすい、リウマチ、冷え性、胃腸虚弱等、冷えと痰湿の停滞が絡んだ冬の持病をお持ちの方は、夏の養生が決め手になります。(冬病夏治)

2014年7月2日水曜日

夏風邪は何故長引くか?

夏風邪は何故長引くか?

冬の風邪と違い、夏風邪をひくとなかなか治りません。
それは何故でしょうか?
私はその原因は、熱と湿、そして激しい温度変化にあるとみています。

冬の風邪は、寒気がして頭痛、鼻水など、そして肩~項にかけて表面の湊理が閉じて、体が硬くなり、邪の出所がないので、体を温め、表面を緩ませて汗をかくことで邪を排泄できれば、比較的すんなりと治るものです。

ところが夏の風邪は・・・連日の暑さで、寝苦しい夜が続く、そして汗をどんどんかくことで、陰液が消耗して、体には熱がこもりやすくなっています。
西洋医学的には、睡眠不足があるということは、解毒力も免疫力も低下しているということです。
さらに、冷たい水分やアイスクリーム等で、胃腸には湿が溜まり、冷えている・・・(免疫の低下)
暑いところから、クーラーが効いた部屋に入り、自律神経が揺さぶられる。
これに仮に心労でも重なれば、免疫力は最低ラインと思っても過言ではありません。

又、冬の風邪は、汗をかいて治しますが、夏風邪は、黙っていても汗をかいており、肌表にまとわりついたこの汗が、風に当たるとさらなる邪気を体内に呼び込んでしまう状況にあります。
汗で肌表が濡れている状態は、ウイルスの繁殖を促進し、毛穴から容易にウイルスが入ると考えられます。

まとめると、夏風邪は、体力、免疫力、自律神経の調整力がもともと低下しているところへ、汗をかくことで何度も邪が出入りしやすく、長引きやすい状況と言えると思います。

夏風邪対策としては、
1.ある程度涼しい環境で、汗をかくことを抑え、しっかりと体を休めること
2,下痢や嘔吐は、ウイルスの排泄反応なので、薬で無理矢理止めず、タンポポ茶でウイルス解毒を促進する
3,熱や寒気がなければ、入浴して代謝を促進させ、体をスッキリさせて免疫を上げる・・・ただし入浴後は、しっかり汗をふきとり、扇風機等に当たらない
4,陰虚と湿熱が混在することが多いので、適宜、滋陰降火湯、生脈散、瓊玉膏、竹茹温胆湯、銀翹散などで匙加減をする必要がある
5,胃腸症状が主なときは、?香正気散や人参木で、胃腸を温め、消化管の湿をさばく・・・アイスクリームやサイダー、ビール、甘いもの、脂こいものは厳禁

♪早い話、胃腸を休め、汗のかきすぎを抑えて、体を休める!ということです。

2014年6月25日水曜日

天変地異と体

天変地異と体

ここ数年、穏やかな春、爽やかな秋がなくなり、冬から夏へ、夏から冬へと激しく気候が変化しています。
今年はまた、それがひどく、1日の気温差が15度以上、激しい気圧の変化、そして湿度の変化があります。
また、地上の気温と上空の気温が40度以上あって、激しい上昇気流が生じ、ゲリラ豪雨とともに霰や雹が地面に叩きつける状況が起きています。

私たちの体は、冬から夏に向かうとき、春や梅雨の時期を経ることで、汗腺を開いたり、血管の伸縮を調整したりして、夏仕様に適応してゆくわけですが、現在の気候のようにめまぐるしく変化されると、体は適応性を失い、自律神経、ホルモン、免疫系ともに大きく揺さぶられ、ややもすると調整不能の状況が生じます。

適応能力とは、予備タンクのようなものです。
中医学的には、気血津液がしっかりと満たされた状態が、充実した予備タンクと言えます。
逆に、機能が未発達の乳幼児、機能が衰えた高齢者、長く重い病気にかかっている方、暴飲暴食、睡眠不足などの過労が続いている方、そしてシステム切り替えの時期である更年期の方は、予備タンクが空に近い状況であると認識してください。
弱い者は淘汰されてしまうのが自然の摂理ですから、自分の命は自分で守らねばなりません。

実際に、今まで何とか良好な状態を保ってきたのに、6月に入り急激に状態が悪化する方、突然に亡くなってしまう方、入院されたり寝込む方が増えています。

私たちの体は、気候や環境の変化に大いに関係していますので、このような天変地異が起きる年は、特に油断をせずに、消耗を防ぐことが大切です。
1,無理な計画を強行しない
2,睡眠を確保し、しんどければ横になる
3,頭の使いすぎ、体の使わなさすぎに留意
4,気血津液を補う食事
5,1日12粒の新ノーゲンで、自律神経、ホルモン、免疫の調整機能を補う
等ご参考ください。

2014年6月13日金曜日

左脳のクラシック、右脳のJAZZ

左脳のクラシック、右脳のJAZZ

先日、ある講演会でのお話で、日本人のガンの原因は”我慢”であるとききました。
日本を離れて、海外で暮らした経験がある方は、とてもそれが理解できると思いますが、例えばアメリカ人は、不必要な我慢をしない。(人に気を遣い、自分の気持ちを封じ込めて辛抱するなど)
中国人がガンになったら、”私は今から、自分のガンを治すことに専念するから、家事や仕事は、治ってからやりますので、よろしく!”・・・といった具合。

また、日本語は、文法的な構造、場面による言葉の表現の数々からしても、非常に神経と気配りが必要な、左脳を使う言語らしい。
日本人は、回りに気配りしながら、突出することなく、調和を慮る民族で、生活そのものが左脳優位の民族だと述べられていました。
そして、音楽にしても、楽譜にある規則をもとに、正確にそれを音に再現してゆく(楽譜に忠実に演奏する)・・・ということに長けていて、それを楽しんでできる人が多いということ・・・。

それに対して、自由に暮らしなさい、自由に絵を描いてください、好きなように踊ってみてください、音楽を自分の感性で、どんどんアドリブ演奏してください・・・などと言われると、途方に暮れて、手も足も出ない人が多い・・とも言われていました。
それもそのはず、これらは全て、右脳のシステムを使う行為だからです。

左脳システムの活用に偏った生活をしていると、自由度がなくなり、ストレスがたまり、心も縛られてリラックスできませんが、右脳システムを取り入れると、ストレスから解放され、ビビッドな毎日になります。
例えば、音楽が流れてきたら、気持ちの赴くままに、体を揺らして、手足でリズムをとってみたり、流れてくるメロディーに合わせて、鼻歌でオブリガードを入れてみたり・・・・。
それは、悪いことでも、恥ずかしいことでもないんですよね。

私事になりますが、多くの薬局薬剤師は、毎日必死になって、処方箋の監査を行い、調剤業務に従事しておられます。
そういった薬剤師の尽力が、患者さんの体を守っているのは、言うまでもありません。

ですが、私はある頃から、病気にならないための、養生に目覚めてしまいました。
薬剤師の大半が西洋医学に則り、調剤をしているのに対して、漢方だの養生だのと言っているのは、ごく少数派の変わり者で、”あいつは横行ってまったよな!”と言われても仕方ありませんが、そういう私でも貢献している部分もあり、そういう人がいても良いと私は思うんです・・・個性ですよね?

昔から、人と同じ事をするのは、あまり好まなかった・・・それで、最近になって、旧友の薬剤師に、”りえっぺ、フルート吹いてるんや、ガボットとかやんの?”って聞かれ、”い~や、うち、JAZZにはまってまったんや!”と言ったところ・・・”やっぱり!さもありなんやわ!”と言われました。(苦笑)
JAZZは、右脳の活性化にもってこいなんやよ!!!
ねっ?先生方、そうですよね?

2014年6月3日火曜日

夏の養生・・・熱中症を予防しましょう♪

夏の養生・・・熱中症を予防しましょう♪

夏は五臓のうち、心の機能が盛んになる。
夏は五行の”火”に属し、心気に通じるため、心気を補養することが大切。
”心気を傷めるので感情を平和にして、怒ってはいけない。心気は穏やかに発泄するのがよい”
と黄帝内経素問に書かれているように、暑い夏には常に楽しい心持ちで、イライラせずに、のんびりゆったりすることが大切です。

穏やかな気持ちで、ゆったりと過ごすことは、熱中症の予防にもつながります。
冗談ではなく、熱中症に罹りやすいのは、物事に熱中する傾向にある方と言われています。
例えば、草むしりを例にあげると、”この一角”と決めたら、喉の渇きも体の疲れも忘れて、必死で草むしりに励むタイプの方です。
真夏の暑さの中では、あと少しの無理が命取りになり、気分が悪くなって、さあ、立ち上がろう・・・としたときに、痙攣が起きて立ち上がれなくなり、意識が混濁してくることがあります。

こういった事故を防ぐためには、十分に睡眠をとり、朝の涼しいうちに、体を動かす仕事はかたつけて、日中の最も暑い時間は、休息するなり、仕事のペースを抑えた方が、かえってはかどるかと思います。

熱中症を防ぐには、一口づつのこまめな水分補給が大切です。
500ミリのペットボトルの番茶に梅干1個程度の、塩分+クエン酸の酸味が、脱水を防ぎ、すみやかに体液を補います。
ハチミツレモンなどもよいでしょう。

体に熱がこもってしんどい方は、レタス、トマト、きゅうり、なす、白菜、りんご、バナナ、豆乳、豆腐、緑茶などの清熱作用のあり食べ物を摂るとよいですが、冷え性の方や、一日中クーラーのかかった部屋で涼んで折られる方は、むしろこれらの食べ物は控えてくださいね。

2014年5月28日水曜日

養生は体の声を聞くことから♪

養生は体の声を聞くことから♪

♪食欲が全くなく、食べる気が起こらないけれど、食べないと体力がつかないから、無理矢理食べる・・・体は食欲を落として、体の修復にエネルギーを注いでいます。お粥などをよく噛んで少量を小分けするのがよいです

♪お腹が下って、どんどん痩せていっているけれど、玄米にこだわっている・・・下痢は長く続くと、体力が低下(気の固摂作用が弱る)して、ますます止りにくくなるので、こんなときは白米の10倍粥に!

♪お粥で栄養がとれるかどうか心配・・・弱った胃腸には、お粥は最高の栄養食です、回復とともに普通食に近づけてゆくのは、術後の食事管理と同じです

♪90代、脳梗塞で、胃瘻の状態になっているが、栄養状態が悪いので、どんどんサプリメントなどを粉砕して胃瘻に入れている・・・お歳を召して、吸収力が悪いのは、とても自然なことです。必要以上の栄養を入れるのは、お腹一杯ではちきれそうな体に、もっと食べて!と苦しみを与えてしまうことに!

♪痛みがあると不安・・・痛みは”この部分の環境を何とかして”と体がご主人様に発しているメッセージです!痛みがあるということは、極めて体の反応が良いと言うことです。
通じざれば即ち痛む・・・冷えて血流が悪いと、その部分が汚れて痛みが生じます。
また、温めて血流が一気に増えても、組織修復の炎症が起こり痛むことがあります。
体の声を聞いて、心地よい程度に温めることで、穏やかに治癒反応を起こすのがよいです!

♪腹水、胸水は抜いてもまた溜まり、抜くたびに体力が低下する・・・水が溜まるのは、その部分に炎症があり、それを冷ましたいために組織液が動員されます。大事な体液を抜くより、炎症を冷ます手当て+水を動かす手当てが効をなします。

★人の体は、寿命がくるまでは、常に治ろう!生きよう!とする力(自然治癒力)が働きます。
体に起こるいろいろな症状は、ご主人様に対する、体からのメッセージですね。
あまり頭で考えず、野生に帰って、生命力の直感を活かして、体の治癒力を後押しする行動をとると、必ず体はそれに反応してくれます。

★心を明るく、リラックスして、起きた事象を良いこととして捉えると、治癒力は大きく後押しされ、治るためのスイッチが入ります。
これは、火事場の馬鹿力と同じです。

★さあ今日も1日を終えた体に”ありがとう、よく頑張ってくれたね!”と手足をさすりながら、ねぎらいの言葉をかけてあげてくださいね!

2014年5月21日水曜日

下痢が止らない時の養生食

下痢が止らない時の養生食

玄米菜食等の食養生をしておられる最中に、食後しばらくすると、お腹が下るようになり、もう数ヶ月そのような状態が続いている・・・最近では食べたら覿面で、三度の食事の後は必ず下り、体重がどんどん減ってゆきしんどい。
というご相談を受けました。

下痢にはいろいろなタイプのものがありますが、この方の場合は、食あたり等で起きているものと異なり、脾虚で、気が不足しているために、消化吸収のために飲食物を留める固摂力が低下して、下痢をしておられるものです。
従って、下痢が続けば続くほど消耗して、ますます下痢が止らなくなり、どんどん痩せて体力が低下する悪循環にはまってしまうので、早急に下痢を止める必要があります。

漢方では、補気力と収斂固摂力を高める、参苓白朮散を用い、腸活生などパイエル板まで届くナノ型乳酸菌をお勧めします。
そして養生食ですが、玄米であれば、それをよくついた、玄米餅がお勧めです。
鰹節で出汁をとり、小松菜、人参、山芋などを加えたスープに玄米餅を粥状になるまで煮て、それをゆっくりと味わって食べてください。

又は、10倍粥です。
白米カップ半分に、カップ5の水を入れて、コトコト20分ほど炊きます。
その頃に、長芋や、人参、小松菜などを加え、塩味で調味します。

玄米菜食をやりたい方も、下痢が止るまでは、このような養生食をお召し上がりください。

2014年5月13日火曜日

暑熱順化の勧め

暑熱順化の勧め

暑熱順化とは、文字通り身体が暑さに慣れることです。
外気温が高くなると、当然、私たちの身体の体温も上昇するために、汗をかいて放熱し、脳をはじめとする大切な臓器や器官を熱から守る働きが、私たちの身体には備わっています。

ところが、極端な冷え性の方や、運動する習慣がない方、クーラーが効いた屋内で過ごしている方などは、身体がいわゆる”冬仕様”で、汗腺が閉じてしまっており、水分の多い汗がかけない身体になっています。
水分が多いサラサラの汗がかけないと、身体の熱が冷まされなくなり、熱による痙攣等を起こしやすくなる他、ナトリウムが多いネバネバした脂汗をかき、電解質のバランスが崩れやすくなり、水分補給しても、だるさや疲れは容易に回復しなくなります。

通常、梅雨の間に汗腺が少しづつ機能しはじめ、夏本番になってときに、汗がかける身体として対応できるはずなのですが、ここ数年、冬のような寒さから、いきなり真夏になるような、激しい温度変化に見舞われる気象状況になっていますので、身体がついていかず、暑熱順化が間に合わないために、熱中症で運ばれる方が急増しています。

★涼しいオフィスで座り仕事+運動の習慣がない+入浴はシャワーですませる+夜更かし寝不足+ミネラルが少ない食生活
は、最も熱中症に罹りやすいパターンなので、早急に見直しが必要です。

今の内に暑熱順化を効率よく完了させるためのポイントをあげてみます。
1,ストレッチやウォーキングなどで、じわっと汗がかける程度の運動を習慣づける

2,入浴はシャワーですまさず、半身浴に温冷浴をとりいれます・・・温まったら、冷ためのシャワーで冷やすを交互に3回程度繰り返す

3,座り仕事の方は、足首を上げたり下げたりする運動を時折入れます

4,早寝早起きを心がける

5,根菜、葉物、海産物など、ミネラルとビタミンが不足しない食生活+糖質の摂りすぎに注意

★保健室のお勧め・・・昨年の夏がしんどかった方は早めにご相談くださいね♪
1,解毒促進のタンポポ茶
2,身体の熱を冷ます升降丹や紅羅布麻
3,津液(体液)を補う亀霊寿や燕の巣

2014年5月8日木曜日

湿痺と脾の関係

湿痺と脾の関係

湿気が多い梅雨の季節は、湿痺が増えてきます。
湿痺とは、着痺ともいい、湿気が原因で、関節や四肢が重くだるい、痛む、痺れるなどの症状を呈する病気をいいます。

湿痺にかかると、症状に取り憑かれたように苦しく、しかも病状は長引き、容易によくならないので、とても厄介です。
こじらせると、リウマチや神経痛などの慢性の病気に移行することがあるので、早めに邪を散らせてしまうことが大切です。

湿痺の原因は、
1,湿度が高く、身体の湿気が体外へ抜けにくいこと
2,脾の働きが悪く、体内の水をうまくさばくことができないこと
により、身体に余分な水気が増え、その水気が原因となって、冷えと痛み、重だるさを作り出しているものです。

予防として、最も大切なことは、脾を傷めないことです。
脾は生痰の源ともいい、甘いお菓子、ジュース、冷たい飲み物、冷たい麺類などの摂りすぎは、脾の働きを弱め、水の代謝を悪くします。
これらのものを摂ったときは、十分に筋肉を動かして、汗をかき、身体を軽くしておくとよいです。
入浴で温めるのもよいです。
そして、汗をかいたら、こまめに拭き取り、皮膚を濡れた状態にしておかないことが大切です。

食養生としては、鳩麦、小豆、もやし、春雨など、利水作用のある食べ物を取り入れるとよいですね。
漢方薬では、タンポポ茶や?苡仁湯、龍衣などが使われ、湿取り漢方とも呼ばれています。

2014年5月1日木曜日

梅雨場の体調

梅雨場の体調

日本は海に囲まれているために、大陸よりも湿度が高く、梅雨に入ると高温多湿な環境が続きます。
湿度が高くなると、最も悪影響を受ける臓は、脾です。

脾は、水の運化(体内の水分代謝)を司る臓ですが、外気の湿度(外湿)が高くなると、体内の水分も汗から蒸発しにくくなり、内湿が溜まります。
消化管に余分な水が多いと、食欲がなくなり、吐き気がしたり、下痢、軟便などになりやすくなります。
また、体もむくみやすくなるため、手足がだるい、重い、やる気が起きない、何をするのもおっくう・・・・という状態になります。

湿邪の特徴は
1,陰の邪気で、陽気を傷つけやすい・・・つまり、元気ややる気を奪われ、活動が低下する

2,重濁性・・・体が重く、解毒代謝が低下して、特に下半身に症状が現れやすい(むくみ、下痢、尿が出にくい、発汗しない、湿疹、おりもの等)

3,粘滞性・・・ネバネバ、ベトベトしたものが体に残りやすく、この時期に病気をすると、長引きやすい・・・等。

日本の夏は高温多湿です。
梅雨場に脾胃を傷めて体力を落としてしまうと、夏を乗り切ることができませんので、この時期は、脾胃を助け、体の水はけをよくしてゆく養生が必要です。

2014年4月23日水曜日

ガンを治す戦略

ガンを治す戦略・・・岡山生き生き長寿研究会にて

先日、岡山の生き生き長寿研究会にて、午後から講演+ライブ+個別相談会をさせていただきましたが、午前は、郭林気功のワークショップに参加させていただきました。

中咽頭ガン4期(末期)の、後に引けない状態から、自力で生還された春名さんの貴重な体験談+郭林気功の実際を教わりました。
発病当時、春名さんは、相当なストレスを抱えておられ、ストレスを解消するために、暴飲暴食、自己破壊的なライフスタイルを送っておられたそうです。
その春名さんが、心の持ち方によるストレス、食事、睡眠不足・・・このライフスタイルこそが、ガンを作り出した原因だと気づき、それを改めることにより、必ずガンを克服する!と決意、実行されて元気になるまでのお話をお聞きしました。

印象的なお言葉として、ガンを治している方は、”食事だけ気をつける”とか”運動のみやる”というやり方ではなく、
1,体が喜ぶ、治癒力を上げるための食事
2,体を温めるお手当て
3,気を巡らし、全身に酸素を送る運動療法
4,解毒を促すための睡眠
5,心のお手当て
を複合的に取り入れているということ。
私の薬局でも、漢方だけ飲んで治そう!というものではなく、漢方は後押しするもので、最も大切なのはライフスタイルの改善であることを、口酸っぱくお話しています。

そんな中で、春名さんが毎日10時間を費やし、治るために取り入れられた郭林気功は、初体験ですでに手応えのあるものでした。
普通の気功とは違い、郭林気功は、まさにガンを治し、老化と共に起こる血管疾患を防ぎ、若返りを実現する気功です。
その秘密は
1,宇宙からの気を取り入れ、体内の毒を排泄する
2,イメージを大切にし、心の修養にもなる
3,歩きながら行うことで、筋肉を刺激し、全身に酸素を運び、気血の調節を行う・・・等

まず気功の最中に、手足の末梢にジンジンを血液が流れる感覚・・・その後じんわりと汗が出てきました。
そして、何より明くる日、体が軽く筋肉の凝りがとれて、柔らかくなっていたことです。

春名さん曰く、決して過激な運動ではないのに、毎日続けることで、1ヶ月もすると腕や太ももに弾力のある筋肉がついて、体がポカポカと温まってくるそうです。

春名さんは、”これだ!”と信じて徹底的に行うことで、末期ガンから見事に生還されました。
治るためのスイッチが入ったのですね!!!
治るスイッチは、自分でしか入れることはできませんが、皆さんがスイッチを入れるためのお手伝いは一生続けてゆきたいです♪

2014年4月15日火曜日

新型インフルエンザが流行したら・・・

新型インフルエンザが流行したら!?・・・・熊本県内で、鳥インフルエンザ検出、11万羽殺処分へ!
鳥インフル防疫、措置迅速!警戒体制を!!!

1,予防のために・・・

大阪大学、兵庫医科大学で抗ウイルス作用が確認されている、タンポポ茶(ショーキT1)を服用することで、予防効果が期待できます。
空腹時、または食間の服用がお勧めです。

2,もし、人~人への感染のニュースが流れたら・・・

1日2袋以上を空腹時または食間に飲んでください、
H5N1鳥インフルエンザウイルスに抗ウイルス効果があることが証明されています(北京BRM研究所、楊林、馬百平医学博士)
日本では、大阪大学微生物研究所、兵庫医科大学にて、抗ウイルス作用が確認されています。

3,全身への感染を防ぐ・・・

ショーキT1は細胞内のウイルスの増殖を阻害します。
鳥インフルエンザは、2個のウイルスが体内に侵入してわずか24時間で、5000億個にまで増殖します。
体内で急激にウイルスが増殖すると、全身感染を起こし、ショック状態になり、同時に多臓器不全を起こします。

4,ショーキT1は、様々な抗ウイルス作用が確認されています。

実験により、ウイルスの増殖期の早期と後期において、細胞内のウイルス粒子形成時の小胞体前の段階で、タンポポ抽出物がウイルス合成を抑制することがわかりました。
現在までに、B型、C型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、A香港型、Aソ連型インフルエンザウイルスに対して、抗ウイルス作用が確認されています。最近では、H5N1鳥インフルエンザウイルスに、抗ウイルス効果があることが証明されました。

♪腹七分と、十分な睡眠を守り、タンポポ茶(ショーキT1)を服用ください!

2014年4月11日金曜日

脾の病と漢方

脾の病と漢方

五臓の中の脾の働きのひとつに、血管内の血液を漏れないようにしたり、汗を漏らさないような働き、そして、内臓が下垂して脱を起こさないよう、持ち上げる働きがあります。
ところが、慢性疲労、胃腸の酷使、寝不足、慢性の病などで、脾気が消耗すると、これらの力が低下して、軽くぶつけただけなのに、アザができる、汗がひとりでに、ダラダラ流れる、内臓下垂、子宮脱、脱肛などの症状が起こります。

このような症状でお悩みの方にお勧めできるのが、補中益気湯です。
補中益気湯は、脾気を強め、漏れや下垂を防ぎ、気力を整える漢方で、腰回りの帯脈を強化する働きがあります。

人の骨盤は、交感神経緊張時や、さあこれからがんばるぞ!というときには締まり、リラックス時や疲労時、そして更年期には緩む傾向にあります。
つまり骨盤の開閉により、帯脈が閉まると、内臓は安定、気力が充実、けれども閉まりすぎると、のぼせやほてり、動悸などが現れます。
逆に、帯脈が緩むとリラックスしますが、緩みすぎると、気力も元気もなくなり、活動することができません。

この帯脈の開閉を調整するのが、補中益気湯で、内臓下垂や脱肛、気力の低下に有効です。
これらの症状に加えて、のぼせる、火照る、動悸、めまい、足の冷え等、帯脈の閉まりすぎによる、上下の気が分断されてしまう症状をお持ちの方には、升降丹(暑がりの補中益気湯と呼ばれる)がお勧めです。

内臓下垂が激しく、気力が充実しない方は、骨盤ベルトを適宜利用されるのも良い方法です。

2014年4月1日火曜日

風湿邪に要注意

風湿邪に要注意

この季節は、お天気がめまぐるしく変化します。
穏やかに晴れた後は、もうお天気は下り坂・・・そしてシトシトと雨が降り出すと、徐々に風が出てきて、強風とともに晴れる。
つまり、1日目・・・強風晴天 2日目・・・穏やかなポカポカ陽気 3日目・・・下り坂曇り 4日目・・・激しい雨風
と言う具合に、3~4日サイクルでお天気が変化します。

お天気の変化と体調には大きな関連があり、激しい気候の変化は、体に大きなストレスをかけるので要注意です。
特に、皆さんが油断しやすいのが、穏やかに晴れた後の、急激な雨風と気温の低下です。

温かい日の翌日は、薄着をしやすいものです。
例えば、”少しくらいなら大丈夫!”と思って、寒さを感じたり、雨風を受ける中で、洗濯物を干したり、ゴミ出しに行って、無意識のうちに雨風にさらされると、短時間のうちに、風寒湿邪が侵入します。

そのようなときの特徴は、風邪をひいた感じではないのに、頭が痛い、又は重い、目が見にくく、視界が狭い感じ。
足腰、関節がやたらと、だるく重い、足がむくみ、歩くと踵に痛みを感じる・・・・等です。
太陽膀胱経と督脈に風寒湿の邪が侵入した、このような症状は、麻黄湯+松康泉が大変によく効きます。
そして、温灸で大椎をよく温め、督脈と太陽膀胱経をさすることで、軽く汗が出始めたら、霧のようにこれらの症状が緩和します。

この治し方を知っていないと、症状が長引き、どんどんと奥に侵入して、”リウマチにでもなったのかしら?”というような不安に襲われることになりますので、雨風を決して侮らないでくださいね♪

2014年3月26日水曜日

食事の調整法

食事の調整法

食事において、大切なポイントは、体の声を聴いて食事をすることです。
お腹が空いていないのに、時間がきたから無理矢理に食べる・・・というのはよくありません。
お腹が空いていない・・・ということは、まだ前に摂った食事など、体の中が解毒浄化されていませんよ!!!
ということです。
お腹がグゥ~と鳴って、”次の食事がきてもOKだよ!”というサインを聴いてからいただくと、体に負担をかけることがありません。

二つめは、食事の内容です。
例えば、貧血で、血を欲しているときは、動物性のタンパクが摂りたくなります。
このような場合は、頑なに玄米菜食に固執せず、血になる食材を摂ってもかまいません。

犬の散歩に行くと、よくわかりますが、その日の体調に応じて、草を食べ分けていますね。

三つ目は、よく噛んで食事しましょう。
よく噛むことの効用は、天然の抗ガン剤である、唾液がたくさん胃袋に入ること。
そして、少ない量で、お腹が満たされ、結果的に腹7分を実現でき、代謝に負担がかからないことです。

四つ目は食べる食材の割合です。
歯の構造に応じて、食事内容の半分を穀物、残り半分の内に3分の2を野菜、海草、豆、3分の1を動物性のタンパクや、嗜好品とお話しました。
毎食、これを実現するのが大変であれば、1日のトータルで考えていただいてもOKです。
その際に、主食となる穀物は昼間の活動時に多くし、副食となるものを、夕食にシフトしてもかまいません。
又、昼に食べ過ぎてしまったら、次の食事は少なめにする、解毒食にするなど、トータルで調整してみてください。

最後に、食は命です。
毎食の食べ物が、私たちの生命を支えていてくれます。
インスタントばかりを食している方は、当然インスタントな体になります。
ものの命をいただく食事に感謝して、有り難く楽しく、食事をいただいてくださいね♪

2014年3月18日火曜日

産後の養生と更年期

産後の養生と更年期

昔から、産後は十分に休養をとって、体を養い、無理は禁物・・・・産後の養生が悪いと、更年期にひどく辛い思いをする!という言い伝えがあります。
その理由のひとつに、骨盤の開閉があります。

産後は、妊娠状態で開いてしまった骨盤を締めてもとの位置にもどすために、骨盤体操や、産後ベルトを勧められた経験があると思います。
これは非常に大切なことで、産後は、無理や疲れにより、容易に骨盤が開いてしまいます。
骨盤が開くと、腰痛、内臓下垂等のトラブルが起こりやすいのですが、女性ホルモンが順調よく働いているうちは、このようなトラブルから体が守られています。

ところが、更年期になり、女性ホルモンのバランスが崩れてくると、一気に骨盤が開き始め、腰痛、ぎっくり腰、胃の不調、便秘、気力の低下、鬱などの症状が現れてきます。
何故、骨盤が開くことにより、精神状態にまで影響するかというと、骨盤まわりには、帯脈という腰ベルトのような靱帯、気の流れが存在するのですが、それが緩むことにより、気合いが抜けてしまうためです。

おすもうさんが、マワシをするのも、料理人が腰の位置で、エプロンを締めるのも、気を充実させ、内臓の下垂を防ぎ、体を疲れさせないためです。

更年期を境に、人格が変わってしまう、骨盤が横に突きだし、お尻が四角ばって、内臓が下垂(下腹が出る)し、そろばん玉のような老人体型になる、腰痛、ぎっくり腰、座ったり立ったり、歩き始めに足腰が痛む・・・・等のトラブルが生じている方は、絶対に過労は禁物です。
産後の養生の不足と疲れにより、骨盤が容易に開きやすい体質になっているからです。


このようなトラブルで悩んでいる方は、今からでも、遅くありませんので、Wリンクル(プラセンタ)で筋力を補い、養生体操を始めてください。
林薬局では、店頭にて、養生体操を実践しています。
皆さんも、5分でできる養生体操を体験しに、お越し下さいね♪

2014年3月14日金曜日

春に多いアレルギー

春に多いアレルギー

この季節は、花粉や黄砂等で、アレルギー症状を起こす方が増えますが、その原因は身体の内部にもあります。
春は冬眠から醒めて活動する季節であるように、冬場に溜めた食毒(余分な脂質や解毒途中の産物、添加物や薬品等)も、雪解け水のように溶け出してくる時期です。
身体は、日々の食毒や、溜まっている食毒、さらには花粉や黄砂、ダニなどの異物も解毒しようと必死になっています。

皆さんにわかりやすいように、人の身体をコップに例えますね。
ただし、底に穴のあいたコップです。
そのコップには、日々、食物、飲み物、添加物、農薬、薬品、花粉やダニなどの異種タンパクが入ってきますが、正常に解毒が働いていると、コップの底の穴から汚れは出て行きます。

ところが、ストレス、冷え(低体温)、睡眠不足、運動不足などで、解毒の穴が小さくなってしまうと、コップの水は、次第に溜まり、ある日突然、上から溢れ出します。
この溢れ出た水が、鼻水、涙目、皮膚の発疹等のアレルギー症状と考えると納得がゆくかもしれません。

アレルギー症状は、粘膜に炎症を起こしますので、私はアレルギー体質の方を粘膜病体質と呼んでいます。
粘膜病は、食生活、ストレス、ホルモンの変化等に密接に関係しています。
粘膜病体質にならないためには、以下のようなことに気をつけてくださいね♪

1,乳製品、卵、食肉加工食品等の動物性タンパクの摂りすぎと、油で揚げた食品、甘いお菓子やジュースの摂りすぎに注意
2,玄米や麦ご飯、豆ご飯、お味噌汁、お漬け物、などを中心にした和食に、蓮根、長芋、なめこ、わかめ、こんぶなどのネバネバ食品を取り入れる
3,食べ過ぎを避けて腹七分
4,頑張りすぎ、我慢のしすぎはやめて、上手に気分転換
5,午後10時~午前2時の間に熟睡していることが望ましい
6,お風呂にゆったりつかる、心地よい運動等で身体をよく温める
7,タンポポ茶、切り干し大根茶などで、解毒を促進

2014年3月4日火曜日

アレルギーは湿邪と関係

アレルギーは湿邪と関係

花粉のピークは3月上旬~5月下旬まで続きます。
日本人の6人に1人は花粉症と言われており、国民病とさえ言われる花粉症は、実は体内の湿邪(水毒、痰湿毒とも呼ばれる)に関係しています。

体内に、過剰の水分があり、なおかつ、白砂糖由来の糖分、分解仕切れない未消化のタンパク質、油脂などで、血液が汚れていると、肥満細胞からのヒスタミンの値が高くなり、免疫過剰体質が作られてゆきます。

冬場に蓄えられてしまった身体の汚れが、気温が上がることで、雪解け水のように溶け出してくるのが春で、この時期に花粉や空気の汚れと合わさり、アレルギー症状が現れます。
言い換えれば、花粉症は、花粉の力を借りて、体内の汚れを解毒排泄しようとする免疫反応と捉えることができます。

アレルギーを早く遠ざけるには、新たに毒となるものをなるべく入れずに、速やかに解毒を行うことです。
そういった意味で、プチ断食や、腹6分食、お粥などにより、胃腸を休めてあげることは一定の効果があります。

水のようなツルツルの鼻水や涙は、異物を洗い流す解毒反応なので、無理矢理止めるのではなく、身体を温めて、これを助けてあげるのがよいです。
特に、大椎、足首周りをよく温め、タンポポ茶や通竅で解毒を助ける養生をなさってください。

解毒反応がうまく進むと、来年はアレルギーが出ない!という可能性も十分にあります。

慢性病と諦めずに、今日から養生なさってくださいね♪

2014年2月28日金曜日

お腹のハリに柑橘類の勧め

お腹の張りに柑橘類の勧め

お腹が張って重く、苦しい、圧迫感や痛みがある、おならが出やすくて困る・・・など、大腸の気滞(ガス溜まり)に悩んでおられる方の養生法をご紹介します。

お腹の張りのトラブルは、
1,長時間座っていることによる圧迫や、締め付ける下着の着用・・・生活習慣
2,ガスを発生させる悪玉菌を増やす食事のとりすぎ(肉、乳製品、クリームたっぷりのケーキ、甘いお菓子、過剰な繊維質)・・・食習慣
3,ストレスやホルモン変化、運動不足による、腸の蠕動低下・・・心と行動の習慣
等により、腸が圧迫され、ガスが生じると、腸が風船のように膨れあがり、ますます蠕動を低下させ、悪循環を作り出します。

お腹が張っていると、気分まで憂鬱になり、体の活力が失われますので、早めに対処してください。
1,座り仕事の方は、1時間に一度は立ち上がって、軽い足の曲げ伸ばしや、体幹をねじる運動をしましょう。
2,食事は和食のメニューがお勧め・・・ヨーグルトよりも、大豆食品(味噌や、高野豆腐、納豆など)からの方が、日本人の体に合う乳酸菌を摂ることができます。
3,食後に、柑橘類を召し上がってください・・・その際、なるべく筋(みかんの内側のモゾモゾ)も一緒にたべてくださいね。

漢方薬でも唐橘といって、枸橘が主成分のお薬を使い、お腹のトラブルを改善することができますよ♪
頑固なお腹のハリで悩んでおられる方は是非お試しくださいね!

2014年2月18日火曜日

肝は疏泄を司る

肝は疏泄を司る

肝の重要な働きの一つが疏泄です。
疏泄とは、のびやかに、気を動かすと考えてよいと思います。

春になると、気持ちが上向きになり、ウキウキと心がときめいてきますね?
冬の寒さで、閉じこもりがちだった心が、陽気とともに解放され、あれこれと活動したくなる時期です。
春は、体を締め付けないようにリラックスさせて、気持ちの思うままに、やりたいことを手がけてゆくことが大切です。

肝の疏泄は次の4つを担っています。
1,精神、情緒を安定させる
精神安定、明るい性格、リラックス、安眠

2,気血、臓腑の働きを正常に保つ
血液循環が正常に保たれ、痛みや、コリがない
水分代謝が順調で、むくみや、痰がない、めまいがしない

3,消化と吸収を促進
脾胃の働きを促進し、食欲があり、腹脹や、腹痛、吐き気等がない、大便順調

4,女性の月経、男性の精力を正常に保つ

春は肝気が盛んになるので、肝のための養生も大切です。
あれもこれもと、ストレスをため込まないように、過労と睡眠不足を避けましょう。
また、肝を栄養する、食べ物・・・しじみ、あさり、ほたて等の貝類、黒豆、小豆、大豆製品、色の濃い野菜、レバー、赤身のお肉などを取り入れれくださいね♪

2014年2月5日水曜日

ノロウイルスの消毒に関する注意点について

ノロウイルスの消毒に関する注意点について

インフルエンザ、ノロウイルス等が猛威をふるっています。
消毒法についてのお問い合わせがありましたので、回答させていただきますね♪

★ノロウイルスの消毒に関する注意

1,ノロウイルスは、アミノエチルグリシン系の界面活性消毒剤では、殺菌できませんので、ノロ発生時のトイレのドアノブ等には、次亜塩素酸製剤をご使用ください。

2,便や吐物で汚染された床を消毒するには、次亜塩素酸濃度0.1%(1000PPM)の消毒液が必要です。
ハイターなどの市販の次亜塩素酸で殺菌する場合の簡易的方法として、500ミリリットルのペットボトルに、キャップ2杯(5ミリX2)のハイター原液を入れ、500ミリの水で希釈したものを用います。

衣類や器具等のつけ置き、ドアノブの除菌等には、0.02%を用いますので、500ミリリットルのペットボトル水に対して、キャップ半分弱2ミリで作ります。
(日光や、高温の部屋で分解され、効き目がなくなりますので、作り置きはしないでください。)

3,消毒の際には、必ずビニール手袋、マスク、染みない衣服などを用意し、換気をよくします。

4,便、吐物は、ペーパータオルなどで、中心に向かって拭き取り、消毒薬を入れたビニール袋に捨てて、固く縛り廃棄します。

5,胃液の酸が拭き取られていないと、塩素が発生する可能性があるので、ペーパータオルで水拭きした後に、消毒します。

6,消毒後、10分ほど放置し、再度、水拭きします。(特に金属は、水拭きしておかないと、腐食します)
つけ置きしたものも、必ず水洗して、日光干ししてください。(高濃度の次亜塩素酸が衣類にしみこんだまま乾燥し、摩擦で発火した例があります)

7,消毒作業をした後は、必ず手洗い、うがいをし、すぐに調理作業をしないようお願いします。

★感染予防に対する、消毒以外の注意点

インフルエンザや、ノロウイルスに対して、消毒、マスク、手洗い、うがい等の外的注意ばかりが喚起されていますが、もっと大切なことは、個々の内部環境(免疫力)を浄化することです。
ウイルスに感染して、発病する人と、そうでない人がいるのは、免疫力の違いです。
免疫力をあげるために、以下の点に気をつけてください。

1,過労しないよう、十分な睡眠・・・午後10時の就寝が望ましい
2,暴飲暴食を避けて、腹七~八分・・・胃腸に負担がかかった後に、免疫力が低下し、感染します
3,甘い物、アブラ物の摂りすぎに注意・・・どちらもウイルスの分裂を促します
4,ウイルスの排毒には、タンポポ茶が有用 
5,持続的ストレスは免疫力を著しく低下させるので、発想の転換をして、いち早くストレスから脱却する

2014年1月29日水曜日

お弁当箱を使った食養生法

お弁当箱を使った食養生法

多くの方々から、食事のバランスや量について質問されることが、とても多いです。
食養生をはじめて、”あれもダメ、これもダメ”と制限されるのは、ストレスがたまりますし、とても辛いですね?
”カラダに必要な栄養をバランスよく、腹7分!よく噛んで、美味しくいただきましょう”
ということなのですが、これを簡単に実現するために、お弁当箱に詰める、箱詰め術の養生がありますよ♪

以前に、歯の割合と、代謝酵素の関係をお話しました。
簡単に復習しますと、32本の歯のうち、20本が、穀物をすりつぶす臼歯、8本が、野菜や豆などをかみ切る門歯、4本が、動物性のものをひきさく犬歯です。
そして、この割合でそれぞれの代謝酵素も存在しているため、5:2:1の比率で食物を摂ると、体に負担がかかりにくいお話でしたね♪

まず、あなたが1食分500キロカロリーの食事を望んでいるとき、500CCの容量のお弁当箱をご用意ください。
600キロカロリーを予定しているなら、600CCのお弁当箱ですヨ♪
自分のお弁当箱が決まったら、お弁当箱の半分にぎっしりと穀物(ごはん、芋類、雑穀、かぼちゃ等)を詰めます。
そして、残りの半分の3分の2に、お野菜や、豆類などの植物性タンパク質を詰めます。

最後の3分の1が、お肉、魚、乳製品、卵などが入る部分です。
この割合で、ぎっしりと動かないように詰めていただくと、そのお弁当箱が500CCなら、500キロカロリー、450CCなら、450キロカロリーという法則があります。

これなら、簡単にカロリー計算でき、バランスさえ守れば、どんな食材も食べられます。

食事は、命をいただくものですから、美味しくいただくことが、とても大切です。
楽しく食べた食事は、心と体の栄養になります。
そして、欲を言えば、”なるべくカラダに負担をかける毒はとりいれない!”の意識さえあれば、十分です。
毒が入ったら、タンポポ茶で解毒!そして次の食事は気をつければよいのです(笑)

2014年1月22日水曜日

咳き込みと気逆

咳き込みと気逆


急な咳き込みや、子供の咳き上げの原因の一つに、精神的なイライラがあります。
特に、疳の虫が出るような、肝気の強い子供(思うようにならないと、わめきちらしたり、だだをこねる)は、咳き込みが激しく、それとともに嘔吐することがあります。

子供でなくても、非常に強いストレスが入った時に、咳き込んだり、むせたり、咳が長引いたりするのは、精神的ストレスによって、気の向きが正常に下へ巡らず、上逆しているためです。
このようなときは、イライラやめまい、動悸などを伴いやすいのが特徴です。

気の向きが上を向いてしまうと、消化管の働きも悪くなり、胃腸が使えて、食欲不振が起きたり、吐き気、膨満感、便秘なども起こりやすくなります。

このようなとき、漢方では、半夏が入った方剤・・・半夏厚朴湯や半夏瀉心湯等をよく用います。
食養生では、気の向きを下へ降ろす、大根がお勧めです。
大根おろしに、すりおろし生姜も少し加えて、お醤油を少したらして食べてください。


また、手の親指の付け根・・・合谷と、足の親指の付け根・・・太衝を、つまようじなどでよく刺激したり、円皮針を貼ったりして、気を巡らすこともお勧めです。

2014年1月15日水曜日

心の感情と免疫力

嬉しい集中感が免疫力を上げる

喜びの感情は、五臓でいう心(しん)につながり、気血がスムーズに流れ、健康を保つことができます。
ところが、あまりに喜びすぎるのは考え物で、気が緩み、考えが散漫になり、心の働きを乱すことになります。

こちらにこられる患者さんで、いわゆる難病から脱却される方(治る力が強い人)に多い性格パターンとして、
1,素直な人
2,気づきがある人
3,意志を持っている人
4,諦めることができる人
5,一歩踏み出すことができる人

逆に治る力がなかなか働かない方の性格パターンは、
1,人の話に耳を傾けない頑固な人
2,病気になった責任をとらない人(病気になったのは人のせい)
3,悩み模索ばかりして、方針が決まらない人
4,腹が据わらず、いつも怯え、不安に支配されている人
5,良いとわかっても実行しない人

治癒力や、生命力は9割方、感情に支配されています。
人の体というのは、寿命がくるまでは、必ず治癒力が働くようにできていますから、病気などによる不具合が生じたときには、必ずその原因があります。
何が悪かったか、その原因が定まれば、方針がたち、それに向かって快適に努力することがポイントです。
がむしゃらに頑張るのは、交感神経の過剰緊張を生み、免疫力を落としますし、リラックスしすぎて気合いが入らないのもいけません。
諦観という言葉がよいのかもしれませんね・・・・頑張りすぎず心が楽しくなるような集中力が大切なわけです。
そして、一歩踏み出し、今を生きる・・・・状態が変われば、またそのときに最良の方法を検討する!
その繰り返しが生きる力を高めます。

2014年1月7日火曜日

薬膳レシピ 滋陰養血の酢の物・・・空咳やノドの乾燥に♪

薬膳レシピ  滋陰養血の酢の物・・・空咳やノドの乾燥に♪

空気が乾燥して、肺が乾き、空咳、のどの痛みを訴える方が増えています。
肺は乾燥に弱く、乾きにより、潤いを失い、粘膜の免疫力は低下しやすくなります。
今日は、津液と血液を補い、肺を潤して炎症を収める、滋陰養血の酢の物をご紹介します。

材料
タコ、胡瓜、パプリカ、銀杏、レモン、酢、黒砂糖、塩

作り方
1,下ゆでした、タコは、食べやすい大きさに切って、ざっとお湯をくぐらせる

2,胡瓜、パプリカは、うす切りし、塩でもむ、銀杏は皮をむき、炒っておく

3,それぞれの材料を合わせ、黒砂糖、酢で調味し、レモンの薄切りをのせて、漬ける


★タコは養血、胡瓜は滋陰清熱作用をもちます。銀杏は肺を潤し、咳を鎮める働きがあります。
酸味と甘みで津液を補い、収斂させて、肺の乾燥を防ぎます。