2014年12月27日土曜日

介護を考える

介護を考える

日本は超高齢化社会に突入し、80歳以上の人口が爆発的に増えています。
生活環境や医療の発達により寿命が延びていますが、残念なことに元気で自立できている方はほんの一握りで、何らかの支援や介護を必要としている方が圧倒的に多いのが実情です。

野生の生き物は、物が食べられなくなり、足が弱れば自然に淘汰されるので、子育てをしても、介護をするという現象はみられません。
介護は人間特有の行為であり、人が人である由縁のものであると考えられます。

元気で長生きし、ピンピンコロリの大往生は、全ての人の願いであると思いますが、なかなか思うようにはいかないのが、悲しいところです。
超高齢化を迎え、誰もが、理想的な介護のあり方や、よりその人らしい終末の迎え方を考える時代がきていると思います。

私自身も祖母を7年、実父を13年介護し、2年前よりまた新たな介護生活が始まっており、振り返ると、物心ついて人生の半分を介護に費やしています。
介護とは全く無縁の方もありますが、人生変わる苦で、これはもう、自分に与えられた行と悟るより仕方がありません。
自分が成長するために天から与えられた贈り物なのでしょう。
したがって、介護生活を受け入れ、より良い方向を模索する智慧を養いながら、日々
行をこなして行こうと考えています。
ただし、自分の力量を超えてしまうと、心身ともに傷めることになりますので、うまく息抜きしたり、気分転換しながら、楽しく臨めることが大切です。

逆に、介護を受ける方の心というものも、大変に複雑です。
自分自身の現状の受け入れが出来ている方であれば、お世話する人をも受け入れ、”ありがとうね!”の気持ちの良い関係が築けますが、”こんなはずでない、こんな状態は自分として許せない、情けなくてたまらない・・・!”
という心持ちですと、介護されればされるほど、自尊心が傷つき、有り難いどころか、全てが腹立たしく、口調もより支配的になります。

するとついつい、介護する側もストレスが溜まり、嫌気がさしてしまいますが、人はすべて生い立ちも育った環境や経験、そして考え方も違い、素直に受け入れられない側面ももっていて当然の生き物なんだ!と思うことで、随分と楽になります。

介護を続ける中で、双方が少しづつ歩み寄り、人生の最終ステージを一番素敵な関係を築けて締めくくることができたら最高ですね。
介護は双方に、辛い、しんどい・・・というイメージが大きいと思いますが、最高に徳を積ませていただける行為でもあります。
多くの人が、一度は通る道・・・人間らしい智慧を養い、素晴らしい逝き方、見送り方を獲得してゆくことは、人類の貴重な財産でもあると思います。

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