2014年5月28日水曜日

養生は体の声を聞くことから♪

養生は体の声を聞くことから♪

♪食欲が全くなく、食べる気が起こらないけれど、食べないと体力がつかないから、無理矢理食べる・・・体は食欲を落として、体の修復にエネルギーを注いでいます。お粥などをよく噛んで少量を小分けするのがよいです

♪お腹が下って、どんどん痩せていっているけれど、玄米にこだわっている・・・下痢は長く続くと、体力が低下(気の固摂作用が弱る)して、ますます止りにくくなるので、こんなときは白米の10倍粥に!

♪お粥で栄養がとれるかどうか心配・・・弱った胃腸には、お粥は最高の栄養食です、回復とともに普通食に近づけてゆくのは、術後の食事管理と同じです

♪90代、脳梗塞で、胃瘻の状態になっているが、栄養状態が悪いので、どんどんサプリメントなどを粉砕して胃瘻に入れている・・・お歳を召して、吸収力が悪いのは、とても自然なことです。必要以上の栄養を入れるのは、お腹一杯ではちきれそうな体に、もっと食べて!と苦しみを与えてしまうことに!

♪痛みがあると不安・・・痛みは”この部分の環境を何とかして”と体がご主人様に発しているメッセージです!痛みがあるということは、極めて体の反応が良いと言うことです。
通じざれば即ち痛む・・・冷えて血流が悪いと、その部分が汚れて痛みが生じます。
また、温めて血流が一気に増えても、組織修復の炎症が起こり痛むことがあります。
体の声を聞いて、心地よい程度に温めることで、穏やかに治癒反応を起こすのがよいです!

♪腹水、胸水は抜いてもまた溜まり、抜くたびに体力が低下する・・・水が溜まるのは、その部分に炎症があり、それを冷ましたいために組織液が動員されます。大事な体液を抜くより、炎症を冷ます手当て+水を動かす手当てが効をなします。

★人の体は、寿命がくるまでは、常に治ろう!生きよう!とする力(自然治癒力)が働きます。
体に起こるいろいろな症状は、ご主人様に対する、体からのメッセージですね。
あまり頭で考えず、野生に帰って、生命力の直感を活かして、体の治癒力を後押しする行動をとると、必ず体はそれに反応してくれます。

★心を明るく、リラックスして、起きた事象を良いこととして捉えると、治癒力は大きく後押しされ、治るためのスイッチが入ります。
これは、火事場の馬鹿力と同じです。

★さあ今日も1日を終えた体に”ありがとう、よく頑張ってくれたね!”と手足をさすりながら、ねぎらいの言葉をかけてあげてくださいね!

2014年5月21日水曜日

下痢が止らない時の養生食

下痢が止らない時の養生食

玄米菜食等の食養生をしておられる最中に、食後しばらくすると、お腹が下るようになり、もう数ヶ月そのような状態が続いている・・・最近では食べたら覿面で、三度の食事の後は必ず下り、体重がどんどん減ってゆきしんどい。
というご相談を受けました。

下痢にはいろいろなタイプのものがありますが、この方の場合は、食あたり等で起きているものと異なり、脾虚で、気が不足しているために、消化吸収のために飲食物を留める固摂力が低下して、下痢をしておられるものです。
従って、下痢が続けば続くほど消耗して、ますます下痢が止らなくなり、どんどん痩せて体力が低下する悪循環にはまってしまうので、早急に下痢を止める必要があります。

漢方では、補気力と収斂固摂力を高める、参苓白朮散を用い、腸活生などパイエル板まで届くナノ型乳酸菌をお勧めします。
そして養生食ですが、玄米であれば、それをよくついた、玄米餅がお勧めです。
鰹節で出汁をとり、小松菜、人参、山芋などを加えたスープに玄米餅を粥状になるまで煮て、それをゆっくりと味わって食べてください。

又は、10倍粥です。
白米カップ半分に、カップ5の水を入れて、コトコト20分ほど炊きます。
その頃に、長芋や、人参、小松菜などを加え、塩味で調味します。

玄米菜食をやりたい方も、下痢が止るまでは、このような養生食をお召し上がりください。

2014年5月13日火曜日

暑熱順化の勧め

暑熱順化の勧め

暑熱順化とは、文字通り身体が暑さに慣れることです。
外気温が高くなると、当然、私たちの身体の体温も上昇するために、汗をかいて放熱し、脳をはじめとする大切な臓器や器官を熱から守る働きが、私たちの身体には備わっています。

ところが、極端な冷え性の方や、運動する習慣がない方、クーラーが効いた屋内で過ごしている方などは、身体がいわゆる”冬仕様”で、汗腺が閉じてしまっており、水分の多い汗がかけない身体になっています。
水分が多いサラサラの汗がかけないと、身体の熱が冷まされなくなり、熱による痙攣等を起こしやすくなる他、ナトリウムが多いネバネバした脂汗をかき、電解質のバランスが崩れやすくなり、水分補給しても、だるさや疲れは容易に回復しなくなります。

通常、梅雨の間に汗腺が少しづつ機能しはじめ、夏本番になってときに、汗がかける身体として対応できるはずなのですが、ここ数年、冬のような寒さから、いきなり真夏になるような、激しい温度変化に見舞われる気象状況になっていますので、身体がついていかず、暑熱順化が間に合わないために、熱中症で運ばれる方が急増しています。

★涼しいオフィスで座り仕事+運動の習慣がない+入浴はシャワーですませる+夜更かし寝不足+ミネラルが少ない食生活
は、最も熱中症に罹りやすいパターンなので、早急に見直しが必要です。

今の内に暑熱順化を効率よく完了させるためのポイントをあげてみます。
1,ストレッチやウォーキングなどで、じわっと汗がかける程度の運動を習慣づける

2,入浴はシャワーですまさず、半身浴に温冷浴をとりいれます・・・温まったら、冷ためのシャワーで冷やすを交互に3回程度繰り返す

3,座り仕事の方は、足首を上げたり下げたりする運動を時折入れます

4,早寝早起きを心がける

5,根菜、葉物、海産物など、ミネラルとビタミンが不足しない食生活+糖質の摂りすぎに注意

★保健室のお勧め・・・昨年の夏がしんどかった方は早めにご相談くださいね♪
1,解毒促進のタンポポ茶
2,身体の熱を冷ます升降丹や紅羅布麻
3,津液(体液)を補う亀霊寿や燕の巣

2014年5月8日木曜日

湿痺と脾の関係

湿痺と脾の関係

湿気が多い梅雨の季節は、湿痺が増えてきます。
湿痺とは、着痺ともいい、湿気が原因で、関節や四肢が重くだるい、痛む、痺れるなどの症状を呈する病気をいいます。

湿痺にかかると、症状に取り憑かれたように苦しく、しかも病状は長引き、容易によくならないので、とても厄介です。
こじらせると、リウマチや神経痛などの慢性の病気に移行することがあるので、早めに邪を散らせてしまうことが大切です。

湿痺の原因は、
1,湿度が高く、身体の湿気が体外へ抜けにくいこと
2,脾の働きが悪く、体内の水をうまくさばくことができないこと
により、身体に余分な水気が増え、その水気が原因となって、冷えと痛み、重だるさを作り出しているものです。

予防として、最も大切なことは、脾を傷めないことです。
脾は生痰の源ともいい、甘いお菓子、ジュース、冷たい飲み物、冷たい麺類などの摂りすぎは、脾の働きを弱め、水の代謝を悪くします。
これらのものを摂ったときは、十分に筋肉を動かして、汗をかき、身体を軽くしておくとよいです。
入浴で温めるのもよいです。
そして、汗をかいたら、こまめに拭き取り、皮膚を濡れた状態にしておかないことが大切です。

食養生としては、鳩麦、小豆、もやし、春雨など、利水作用のある食べ物を取り入れるとよいですね。
漢方薬では、タンポポ茶や?苡仁湯、龍衣などが使われ、湿取り漢方とも呼ばれています。

2014年5月1日木曜日

梅雨場の体調

梅雨場の体調

日本は海に囲まれているために、大陸よりも湿度が高く、梅雨に入ると高温多湿な環境が続きます。
湿度が高くなると、最も悪影響を受ける臓は、脾です。

脾は、水の運化(体内の水分代謝)を司る臓ですが、外気の湿度(外湿)が高くなると、体内の水分も汗から蒸発しにくくなり、内湿が溜まります。
消化管に余分な水が多いと、食欲がなくなり、吐き気がしたり、下痢、軟便などになりやすくなります。
また、体もむくみやすくなるため、手足がだるい、重い、やる気が起きない、何をするのもおっくう・・・・という状態になります。

湿邪の特徴は
1,陰の邪気で、陽気を傷つけやすい・・・つまり、元気ややる気を奪われ、活動が低下する

2,重濁性・・・体が重く、解毒代謝が低下して、特に下半身に症状が現れやすい(むくみ、下痢、尿が出にくい、発汗しない、湿疹、おりもの等)

3,粘滞性・・・ネバネバ、ベトベトしたものが体に残りやすく、この時期に病気をすると、長引きやすい・・・等。

日本の夏は高温多湿です。
梅雨場に脾胃を傷めて体力を落としてしまうと、夏を乗り切ることができませんので、この時期は、脾胃を助け、体の水はけをよくしてゆく養生が必要です。