2011年6月29日水曜日

小暑からの養生法

湿邪対策

梅雨のまっただ中の養生法は、体の湿をどのように除湿するかです。
湿気の多い部屋はジメジメして陰気でカビ臭く、気分も悪くなります。
これと同じように、湿気が体に溜まると、体が重い、むくむ、湿疹が出る、食欲が無くなる、下痢と軟便、関節が痛む、膀胱炎や腟炎など下の病に罹りやすくなる、気力が湧かない・・・・など重く湿っぽい症状に悩まされます。

こんなとき、体がだるいからといって座ってばかりいると、気が巡らず湿が停滞してますますしんどくなりますよ。
朝起きたら、ラジオ体操でも、ストレッチでもよいので、とにかく体を動かして巡らせてあげることです。
やり始めはしんどくても、終わる頃には気分爽快になります。

漢方食品では
★胃腸が冷えて湿を溜めている方には火神丹
★のぼせ、ほてり、膀胱炎など熱がこもって湿を溜めている方には升降丹
★食べ過ぎ、飲み過ぎで湿を溜めている方には穿山薯預
がこの季節の大きな味方です♪

それでは湿を抜くとっておきのツボをご紹介しましょう
1,ショーキ温灸器で大椎を温める
2,肝臓と腎臓にコンニャク湿布をする
3,肺経の尺沢
  脾経の陰陵泉
  膀胱経の委中
  にせんねん灸をすえる

1~3の手順で行ってください。
それぞれのツボは左右にありますが、反応が強い方(痛気持ち良い、しこっている、あるいは力が無いなど)
で施灸してくださいね。

2011年6月21日火曜日

小暑までの養生法

梅雨時の薬膳そば
この季節は、湿気が多く体が重い、元気が出ないなどの症状で気が滅入りがちです。
これは重たい湿気のせいで、肺気の流れが塞がれ、体に余分な湿が溢れているためです。

湿気を飛ばすには、辛味を取り入れて肺気に喝を入れることがポイント♪
中国の四川省はとても湿度の高い地域で、マーボー豆腐などに代表される四川料理は辛味が強いことが特徴です。
今日は、辛味と湿摂りの乾物を使った、梅雨にピッタリの薬膳そばをご紹介します。
【ピリ辛田舎そば】
●材料(2人前)
日本そば(乾)200g、切干し大根50g、高野豆腐1枚、鶏肉(胸またはササミ)50g、葱半本、豆板醤大匙1、醤油大匙2、梅干し1個、ゴマ油大匙1
●作り方
1、日本そばは、茹でて水洗いし、ザルに移しておく。
2、高野豆腐は水で湿らせ、鶏肉、葱と共に細切りにしておく。梅干しは種を除きつぶしておく。
3、鍋に500~600ccの水、切干し大根、高野豆腐、鶏肉を入れ、沸騰したらアクをすくい取り、中火で10分程煮る。
4、具を別の器に移し、豆板醤大匙1、醤油大匙1、ゴマ油大匙1と細切り葱、梅干しと和えておく。
5、鍋の煮汁に醤油大匙1と、茹でておいたそばを加え、温まったら器に移し、4の具を載せて出来上がり!
よく混ぜてお召し上がり下さい。
豆板醤の辛味で肺気を奮い立たせ、葱で発汗解表し体表の湿を追いだします。
消化管の湿は切干し大根が吸い取り、食物繊維で腸を掃除。
消耗した気と陰は鶏肉と高野豆腐で補い、開いた汗腺は梅干しの酸味で引き締めます。
一散一収、一瀉一補の薬膳そばです。

2011年6月15日水曜日

夏至からの養生法

夏至からの養生法・・・この季節の西風に要注意

夏至を迎えた今が、一年中で最も陽気の盛んな季節で、日の出が早く、日の入りが遅い・・・昼の時間の一番長い時期です。
私達はこれから暑い夏を迎えますが、夏至を境に一陰生まれ、陽のピークは過ぎ去ります。
今の私達の体は毛穴は開いて汗をかきやすくなっており、夏用の体になっています。
夏は気温が上昇し、風は少なく穏やかで、ときおり南から温かく湿った風が吹くのが順風です。

ところがここ数年の気候は本当に異常です。
昼間、30度以上の気温の上昇が見られたと思いきや、夕方には乾燥した強い西風が吹き付け、体感温度もぐっと下がります。
就寝時は半袖のTシャツ感覚なのですが、明け方には必ず冷え込むため長袖のパジャマが必要な日が多いですね。
夜中に布団を蹴散らし、明け方になって海で泳いでいる夢や水に関する夢を見ている方は、まちがいなく体が冷えて寒邪が入り込んでいます。
朝起きても、頭がぼ~として元気が出ず、鼻水が出たりお腹が緩くなっているのが特徴です。

さて、ヨーロッパでは偏西風に乗った西風は穏やかな春の風で、ボッティチェリの春(プリマヴェーラ)、ヴィーナスの誕生にも西風の神であるゼフィロスが描かれていますね。
ところが、アジアでは西風は燥が支配する秋の風です。
西風の特徴は乾燥して冷たく寒い・・・そして強風です。
したがって、夏にこの風が吹けば明らかに逆風で、体を傷めて気分まで滅入らせてしまう悪い風なのです。
俵屋宗達の風神雷神図を思い浮かべて、養生しましょう。

皆さんは、今の季節にどちらから風が吹いているか敏感に感じてください。
そして、西風や北風が強い日は、要注意と肝に銘じてください。
このような日は、体が弱い方は余計な外出をさけて、家の中で養生します。
そして羽織る物で調整することが大切で、西風の日はたとえ暑くても長袖のパジャマで眠ります。
明け方必ず冷えますからね・・・。
スイカ、ビール、サイダー、アイスクリーム、冷や奴、冷麺も、西風の日は御法度です。
西風の日の積極的養生は大椎温灸です。
体調が悪くなっている方もこれで回復しますよ♪

2011年6月7日火曜日

夏至までの養生法

アロマスプレーで湿邪を飛ばそう♪

ジメジメ、ムシムシと湿気が多い季節です。
湿度が高いために、体の湿気が飛びにくく、体がだるい、重い、気分が塞ぐなどの症状に悩まされます。
皮膚の表面もベタベタとしていて、着ている物も何となく湿っぽく気になります。
こんなときは、アロマで除菌+除湿+気分爽快を兼ねたスプレーを作り、快適に過ごしましょう。

材料
無水エタノール・・・10ミリ
精製水・・・・・・・・80ミリ
アロマオイル・・・・・合計40滴(お勧めは、真正ラベンダー、ティートリー、ゼラニウム)
100ミリ遮光ガラススプレー

作り方
1,スプレー容器に、無水エタノールを入れ、お好みでアロマオイルを合計40滴入れます
2,肩まで精製水を入れ、ゆっくりと上下に攪拌します

用途
1,手足にシュッシュッ・・・体の湿を飛ばし、気持ちよい汗をかく効果を高めます。
  デオドラント効果も抜群
2,脇にシュッシュッ・・・気になる臭いを防止
3,お部屋に・・・湿った空気を浄化
4,洗濯物に・・・気になる湿気臭さを防止
5,三角コーナーにも・・・除菌
いろいろなところに使えますヨ♪

2011年6月1日水曜日

芒種からの養生法

湿邪の季節

いよいよ本格的な梅雨の到来です。
オホーツク海高気圧から吹き出す冷たく湿った気流と、小笠原高気圧からの温かく湿った気流が上空でぶつかり合い、この時期は大気の状態がとても不安定です。

急激な気温の変化は肺を傷め、湿気の多い気候は脾胃に負担をかけます。
今週は、風邪をひいてしまった方、アレルギー症状が悪化している方、湿疹などの皮膚病、骨や筋肉の痛み、リウマチの悪化、下痢や嘔吐、腹部膨満感等で訪れる方が急増しました。
今こそ、肺脾腎を補強し、余分な湿毒を除く”タンポポ茶+通竅”の組み合わせは大切です。

脾胃はやわらかく温かい物、脂肪の少ないものを好みます。
胃腸が弱っているときは、小豆やハトムギをやわらかく煮てかぼちゃを加えたお粥を召し上がるとよいです。
かぼちゃの甘味が美味しいので、塩味だけで整えてください。
体を温めるうどんやにゅうめんをやわらかく炊いて、かぼちゃや人参を加えて食べてもよいですね。
生姜やネギを薬味として散らし、体を温めて湿を飛ばしましょう。