2013年5月31日金曜日

梅雨に多い病気

梅雨に多い病気

今年は例年よりも11日ほど早く梅雨入りしました。
暑い夏が早くやってくるのか、あるいは梅雨が長いのか・・・どちらにしても湿と熱に悩まされる季節に入りました。
梅雨の時期に入りやすい邪気は湿邪で以下の特徴があります。

1,湿邪は陰の邪気・・・陽気を傷つけるために、体に冷えが生じやすく、気の巡りを滞らせる
その結果、冷え、めまい、食欲不振、胸の痞え、腹部膨満などの消化機能の低下が起こりやすい

2,湿邪は重濁性・・・体が重たく、下半身に症状が現れやすい
その結果、頭重、四肢のだるさ、浮腫、下痢、軟便、おりもの、膀胱炎、濃厚で粘りのある分泌物の多い湿疹等が現れやすい

3,湿邪は粘滞性・・・病程が長く、症状が長引き治りにくい
その結果、リウマチ、アトピー、喘息など痰や分泌物が絡み慢性化する病気に移行しやすい

外気の湿度が高いと、スッキリとした汗がかけず、体に余分な水分(内湿)が溜まりやすくなり、上記の病気を引き起こします。
この時期は、冷たい物や水分のとりすぎを防ぎ、なるべく体を動かし、内湿をためない工夫が必要です。
次回は、この時期にお勧めの食材をご紹介します。

2013年5月16日木曜日

季節の養生食


季節の養生食

こちらは、ある患者さん宅の夕餉・・・季節の養生食として模範的なメニューですね!!!
栄養のバランスがよく、しかもこの季節に大切な解毒を助ける献立になっています。

♪黒豆入り玄米ご飯、♪彩りおから煮、♪切り干し大根のきんぴら風胡麻和え、♪筍の煮物、♪ゆで野菜

実は、糖尿の予備軍ということで、食事と運動でうまくいかなかったら、お薬になりますよ・・・と勧告されて、かなり落ち込まれたご様子で、食事療法の相談に来られた方です。
このとき、アドバイスした内容は、

1,季節の食材を彩りよくいただきましょう
2,500CC以下のお弁当箱を用意して、半分を雑穀米、3分の2を豆、野菜類、3分の1を動物性タンパクにしましょう
3,ご飯から食べずに、野菜やスープから食べましょう
4,お口に一回に入れる量を減らして、チマチマと少量づつよく噛んで食べましょう
5,雑穀に、黒豆や小豆を入れて炊くと、お赤飯のようになって美味しいです
6,乾物は、ミネラルと繊維の宝庫で、糖の吸収を遅らせるので、大いに利用しましょう

7,間食に甘い洋菓子は止めて、どうしても欲しければ、新鮮なナッツやプルーンなどを少量にしましょう
8,朝晩、タンポポ茶を飲みましょう
9,経絡養生体操と20分ほどの早歩きをとりいれましょう
等です。

見事に食事を守られ、わずか2週間で3キロ減量されています。
次回の検診では、間違いなく成果が出そうです。
ご本人は、”血がしたたるような肉が食べたくなるときがある!”・・・と言っておられましたが(苦笑)・・・量さえ守れば大丈夫ですヨ♪
     

2013年5月8日水曜日

虚実の見分け方


虚実の見分け方

自分の体調を見るときに、体に必要なものが足りていなくて調子が悪い(虚)のか、不必要なものが余りすぎて調子が悪い(実)のかを見極めるのは、非常に大切なポイントになります。
体の虚実を知り、それに対して虚であれば、それを補う、実であれば、それを瀉す、そして中庸のところへ体をもってゆくと健康が保てる・・・というのが中医学の考え方です。
以下、簡単に不足と余剰の代表的な症状を5つずつあげてみます。

1-A,気が足りないと・・・・*体がだるくやる気が出ない *体にふらつきがあり、何かにつかまりたいような眩暈 *しゃべるのがおっくうで小さい声しか出せない *少し動いてもしんどい *寒がりで手足が冷える

1-B,気余ると・・・*胸が詰まって溜息をつく *お腹が張って食欲がない、ガスが多く、下痢と便秘を繰り返す *イライラ、憂鬱、不安など精神不安定 *片頭痛、おなかや両脇の痛み、乳房痛など *頭がのぼせて、足が冷える

2-A,血が足りないと・・・*顔色が艶なく黄色っぽい、唇、爪の色が白い *目の前が白くなるような立ちくらみ *夢が多く熟睡できない *動くと動悸がする *手足がしびれる

2-B,血が余ると・・・*体のどこかにコリや痛みがあり、夜間など冷えると特に痛む *歯茎、唇や爪の色が青紫、まぶたの下が黒い、シミ、ソバカスが多い *痔、消化管等の出血、鼻血、月経血に塊がある等 *塊や腫瘤がある *静脈瘤、毛細血管が浮き出る

3ーA,陰(体を潤す体液)が不足すると・・・*口や喉が渇く、空咳が出る *手足が火照る、午後から微熱っぽい *皮膚、髪の毛がパサパサ、乾燥して痒い *寝汗をかく *気持ちが焦ってじっとしていられない、夜間に目が冴える

3-B,陰(体を潤す体液)が余ると・・・*雨天に体調が悪く、頭が重い、体が重だるい、むくむ *痰、吹き出物、帯下などが多い *コレステロール、中性脂肪、体脂肪率、血糖のどれかが高い *化膿しやすい *目やに、湿疹などができやすい

いかがでしたか?チェックが多くついたものが、あなたの今の状態になります。
次回はそれぞれの状態に対応して、体を立て直す食材について、ご紹介しますね♪

2013年5月2日木曜日

夢で体調を知る


夢で体調を知る

皆さん、起床時に気持ちよくスッキリと目覚めていらっしゃいますか?
誰もが寝ている間は夢をみていますが、熟睡できていれば、夢の内容にうなされたり、夢を覚えていたりすることはありません。
何らかの原因で、陰陽、五臓のバランスが崩れていたり、五臓のどこかに邪気が入っていると、夢に現れてそれを覚えているので、逆に言えば夢の内容で体調を知ることもできます。

黄帝内経・・・霊枢の淫邪発夢篇に、詳しい内容が書かれているので、ご紹介しましょう。

例えば、陰陽の過不足により次のような夢を見ます。
陰の気が盛んなとき・・・・大河を徒歩で渡って恐れおののく夢を見る
陽の気が盛んなとき・・・・火事に出会って焼かれる夢を見る
陰陽ともに盛んなとき・・・互いに喧嘩したり、殺害する夢を見る
上半身の気が盛んなとき・・・空を飛ぶ夢を見る
下半身の気が盛んなとき・・・・深いところに落ちる夢を見る
飢えているとき・・・略奪の夢を見る
飽食のとき・・・物を与える夢を見る

五臓の過不足により次のような夢を見ます。
肝気が盛んなとき・・・夢の中でよく怒る
肝に邪が入ると・・・山林の樹木の中を歩き回る夢を見る
心気が盛んなとき・・・夢の中でよく笑う
心に邪が入ると・・・恐れ萎縮する
脾気が盛んなとき・・・夢の中でよく歌い、楽しむ
脾に邪が入ると・・・破れ屋で風雨にあったり、さわで風雨にあい、体が重たく身動きできない
肺気が盛んなとき・・・恐れてよく泣き、体がふわっと浮いた感じ
肺に邪が入ると・・・飛び上がったり、金属製の奇怪なものを見る
腎気が盛んなとき・・・夢の中で腰と背中が分解して離ればなれになったり、足腰に関する夢
腎に邪が入ると・・・深い淵をのぞき込んだり、水中に沈む夢

このような過不足によって起こった異常は、その夢をみたあと、その部位を補ったり、滞りをとったりすることで、直ちに改善する!と記されています。