2013年2月27日水曜日

春の養生(3) 脾と肺を養う


春の養生(3) 脾と肺を養う

春は万物が成長する季節・・・自然に肝の気が盛んになり、上へ上へ気が昇りやすくなります。
この季節は、肝の気をうまく疏泄(巡らせること)して、気を結ばないこと(ストレスを溜めないこと)が大切です。

五行相克の関係で、肝の気が盛んになりすぎると、脾を傷めることになります。
ストレスで胃腸が悪くなるのはこのためで、春先は特にこの症状が目立ちます。

肝の気は、放っておいても強くなるのがこの季節ですので、脾を養っておくことが大切です。
それには、暴飲暴食を避けること、高カロリーや消化に負担がかかる動物性タンパク、脂肪の摂りすぎを避けることです。
これらのものをとると、消化にエネルギーを要するため、胃に熱が集まり(胃熱)脾の熱を奪います。
その結果、脾が虚して、消化機能が低下し、痰湿という病理産物(老廃物)を溜めやすくなるのです。

また同様に、五行相克の関係で、肺をしっかり養っておくと、肝の気が暴走することを防いでくれます。
起床時に、手足、お腹、腰のベルトのラインを上下に乾布摩擦しましょう。
また、温かいお湯につかったら、ぬるめのシャワーを体にかける、そしてまた温かいお湯につかる・・・の温冷浴の繰り返しも皮膚(肺ー大腸)の免疫力と自律神経の反射を高めてくれます。
そして、就寝時には”今日も一日ありがとう!”の感謝の気持ちとともに、深呼吸を7回行ってくださいね。
歌を歌ったり、管楽器を吹くのも肺を養うのに、良い習慣です♪

2013年2月20日水曜日

春の養生(2) この時期の過ごし方


春の養生(2)

春は、万物が眠りから醒めて成長してゆく季節です。
木々が上へ上へ伸びるように、私達も気持ちをのびやかにして活動を開始する季節になりました。

冬場には、汗をかくような激しい運動や、活動のしすぎを戒めてきましたね。
皆さん正しい栄養と睡眠で、エネルギーを蓄えられましたか?
活動をするための、下調べ、読書、練習、鑑賞などで養った力を、徐々に表に出してゆくのがこれからの時期です。

この季節には、体を縛るきつい服装を止めて、髪などもなるべく縛らずに緩めてください。
気持ちの上でも、あれもこれもダメとかいうように、自分の心を縛らずに解放して、外に向かって活動してゆくのがヨシとされます。
歌を歌ったり、音楽を楽しんだり、お花見に出掛けたり・・・と心が楽しく嬉しくなることを積極的に行ってください。

また、春は冬場に溜め込んだ痰湿(病理産物)を解毒して体をスッキリさせてゆくのがよいです。
たんぽぽ、ふきのとう、よもぎなどの苦味のある食材で解毒を促進しましょう。
今の時期には、花粉や黄砂も増えてくるので、痰湿体質に偏っていると、ひどいアレルギーや皮膚病、めまい等で悩まされます。
消化が悪い、油っこいもの、生もの、冷たいものを避けて、タンポポ茶でしっかり解毒をかけておきましょう♪

2013年2月13日水曜日

春の養生 風邪(ふうじゃ)について


春の養生(1) 風邪(ふうじゃ)について

巷では、インフルエンザが中流行している他、花粉の飛散、化学物質(エアロゾル)も大気の流れで到来しているようです。
春の主気は風で、風気に乱れが生じると風邪(ふうじゃ)が生じます。

それでは風邪(ふうじゃ)の特徴をあげてみましょう!

1,風邪は陽邪で、軽揚開泄し、身体の上半身と肝を傷めやすい
性質として陽の邪気で、軽く上に上がりやすく、発散する性質をもち、花粉症の症状である、くしゃみ、鼻水、咳、目の痒みや、扁桃炎、耳鳴り、頭痛、肩こり、のぼせ、鬱など、春の病は上半身に現れやすい。
また、肝を傷めやすい季節で、肝炎、鬱病、精神的な病も春に出現しやすい。

2,風は百病之長と言われ、あらゆる病気よ結びつきやすく、油断は禁物。
多くの慢性病の始まりが風邪であることが多い

3,善行数変の性質で、症状が一定せず、移動したり変化し、急速で進行が早い
インフルエンザ等も症状の変化が激しく、その変化に応じて処方や養生も対応する必要がある

4,風性主動の性質があり、めまい、震え、痺れ、麻痺、痙攣などの動揺の病を引き起こしやすい。
更年期のめまい、フワフワ、自律神経の失調、脳卒中、てんかん等に気をつけたい季節である

また、風邪には外風(外からの邪気の侵入)と内風(体の中から湧き起こる風)とがあります。
外風を防ぐためには、屏風を立てること・・・すなわち免疫力、防御力を高めること
そして、内風を防ぐためには、体に余分な湿や熱をためないこと・・・すなわち解毒力を高めること
が大切です。

1,間食をやめてご飯をしっかりよく噛んで食べましょう
2,食べ過ぎ、飲み過ぎをやめましょう
3,タンポポ茶を飲んで、乾布摩擦や、お腹、そして手足、リンパ節のマッサージをしましょう
4,たっぷりと睡眠をとりましょう
5,ストレスを発散し、ノビノビと気を巡らしましょう