2014年4月11日金曜日

脾の病と漢方

脾の病と漢方

五臓の中の脾の働きのひとつに、血管内の血液を漏れないようにしたり、汗を漏らさないような働き、そして、内臓が下垂して脱を起こさないよう、持ち上げる働きがあります。
ところが、慢性疲労、胃腸の酷使、寝不足、慢性の病などで、脾気が消耗すると、これらの力が低下して、軽くぶつけただけなのに、アザができる、汗がひとりでに、ダラダラ流れる、内臓下垂、子宮脱、脱肛などの症状が起こります。

このような症状でお悩みの方にお勧めできるのが、補中益気湯です。
補中益気湯は、脾気を強め、漏れや下垂を防ぎ、気力を整える漢方で、腰回りの帯脈を強化する働きがあります。

人の骨盤は、交感神経緊張時や、さあこれからがんばるぞ!というときには締まり、リラックス時や疲労時、そして更年期には緩む傾向にあります。
つまり骨盤の開閉により、帯脈が閉まると、内臓は安定、気力が充実、けれども閉まりすぎると、のぼせやほてり、動悸などが現れます。
逆に、帯脈が緩むとリラックスしますが、緩みすぎると、気力も元気もなくなり、活動することができません。

この帯脈の開閉を調整するのが、補中益気湯で、内臓下垂や脱肛、気力の低下に有効です。
これらの症状に加えて、のぼせる、火照る、動悸、めまい、足の冷え等、帯脈の閉まりすぎによる、上下の気が分断されてしまう症状をお持ちの方には、升降丹(暑がりの補中益気湯と呼ばれる)がお勧めです。

内臓下垂が激しく、気力が充実しない方は、骨盤ベルトを適宜利用されるのも良い方法です。

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