2016年11月5日土曜日

気虚と骨盤臓器脱

気虚と骨盤臓器脱

急激に寒くなり、膀胱炎のご相談が増えてきました。
女性は体の構造上、男性と比べると膀胱炎に罹りやすく、慢性の膀胱炎に移行しやすいので注意が必要です。

今日は、慢性の膀胱炎と似た症状で、意外と知られていない骨盤臓器脱についてご紹介します。
骨盤臓器脱とは、子宮、膀胱、小腸、直腸などの臓器(中医学でいう腑・・・袋をなすもの)が骨盤内で下垂し、ヒドイ場合は膣から外へ飛び出してくるものをいいます。
特に何度も出産を経験した経産婦に起こりやすく、閉経して女性ホルモンが減少し、骨盤基底筋等を支える力が低下してくると、下垂が起こります。

骨盤臓器脱は、子宮脱、膀胱脱、直腸脱、脱肛など、下垂が原因で起こる病気で、中医学でいう気虚(エネルギーが足りない状態)の証のひとつです。
つまり、過労、寝不足、度重なるストレス、運動のしすぎ、歩きすぎ、立ち仕事、座り仕事、ダイエットによる栄養不足、病中病後の体力低下、激しい咳の時などに、気のエネルギーが内臓を留める力を失うことで起こります。

臓器の下垂が起こると、膀胱炎様の違和感があり、頻繁に尿意があったり、陰部が重だるく、歩きにくい、座っていて違和感がある、陰部がジリジリ痛む感じがある・・・などの症状を訴えます。
臓器の下垂が激しいと、感染も起こりやすく、抗生剤を必要とする場合もありますが、感染のない例では当然、”膀胱炎かな?”と思って抗生剤を処方されて服用しても全くその違和感はとれません。

これを直すには、益気補陽升提し、気の力を強めることが大切です。
養生の仕方

1,ダイエットは止めて、きちんとした栄養を補います。特に貧血やアルブミンの低下がある方は、しっかりと補気補血の食材や、良質のタンパク質をとります。
漢方では内臓下垂を補う補中益気湯、升降丹、補気補血のコルマータQ10,良質なアミノ酸を補うエネスポなどを用います。
2,疲れると、気の力は失われるので、過労や寝不足、無理のしすぎ、精神ストレスは禁物です。・・・体をしっかり休めてください。
3,運動のしすぎもいけませんが、長時間の立ち仕事や、座り仕事も内臓下垂の原因になります。こまめに体位を変えることが大切です。
4,メタボのお腹周りの方が、強いコルセットや矯正下着で内臓を締め付けるのもいけません。
5,骨盤基底筋を持ち上げる体操をご紹介します。・・・猫背は禁物!!!猫背を解消して、内臓を引き上げます。

*机の前に立ち、左手を机について体を支えながら、右足を左足の後ろへクロスさせ、そのまま右手を大きく上後方に反らせ、お腹を持ち上げるイメージ
息を止めずに深呼吸5回・・・逆も同様に行う

*右足をバレリーナのように、一歩前外向きにした状態で、両手を上に上げる、左右にねじる・・・それぞれのポジションで深呼吸5回・・・逆も同様に行う

臓器が持ち上がり、非常に楽なはずです。
毎日の運動に是非加えてみてください!!!

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