2012年10月10日水曜日

彼岸根が急場を救う


彼岸根が急場を救う

今年は暑さがいつまでも続いたせいか、彼岸花は今が盛り。
自宅の庭に彼岸花が咲くのは、皆様は忌み嫌うようですが、治療家には欠かせないもので、薬局の玄関に彼岸花を咲かせています。
彼岸花は涅槃に通じる花ですが、命の危険を伴う腹水、胸水を引かせたり、毒を降ろす作用があり、命を救う花でもあります。

お手当てには、彼岸花の根っこを使用しますが、猛毒アルカロイドなので、服用は厳禁です。
根っこをすり下ろし、唐ごま(ヒマシ油の種)を粉砕したものと併せて、パスター(貼り薬)を練ります。
皮膚についたり、すり下ろした揮発物質を吸っても、気分が悪くなりますので、必ず換気できる部屋で、ゴム手袋、ゴーグル、マスクなどを付けて調合します。
そして、食用のおろし金を使用せず、必ずお手当て用におろし金やボールを用意します。


出来上がったパスターをネルの生地などにのばして、足の裏に貼ります(半日ほど)と、経絡を通じて毒を下へ降ろす(尿、便、足底から組織液)働きがあり、根気よく行うことで、つらい腹水、胸水、そして痛みが緩和されてきます。

ただし、このお手当てをする前には、足湯、肝腎のビワ温灸などで、十分に下半身を温め、肝腎の解毒器官に血液を集めておくことがポイントになります。
毒をもって毒を制するこの手当ては、一般的にはあまり用いませんが、知っておかれると重宝いたしますよ。

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