2013年12月27日金曜日

風熱風寒の見分け方

風熱風寒の見分け方

風邪は、初期の内に症状を見極めて、いち早く対策を講じることが大切です。
背筋や首筋がゾクゾクと寒気がし、透明の水っぽい鼻水や、薄い痰が出る、尿の色も透明、顔色は青白い。
頭痛や関節の痛みがある。
などの場合は、風寒の風邪で、体を温めて解表してゆくことがポイントです。

これに対して、喉が赤く腫れて痛み、急激に熱が上がってくる、顔が赤い
喉が乾き、冷たい水分を欲し、粘りのある黄色い痰が出る、尿の色も濃い
などは、風熱の風邪で、清熱解毒し、ウイルスの分裂を抑えることが大切です。

風寒の風邪には、葛根湯、麻黄湯、桂枝湯などを用いてゆきますが、風熱の風邪には、銀翹解毒丸や馬鞭草を用います。
ここで興味深いのは、同じウイルスをもらっても、その人の体の状況(体質)により、発病の症状が変わってくることです。
例えば、日頃から冷え性で、水はけが悪い体質の方は、風寒の症状を呈しやすいですし、食べ過ぎ等で胃熱がある方は、風熱の症状が現れやすいようです。

食べ物ひとつでもかわります。
同じウイルスを拾ったとき、お寿司やビール、ジュースなどを口にすると、一気に風寒証になりますし、カツ丼や天ぷらなどの熱食を口にすると、風熱証に傾いてきます。

風邪は善行数変と言われるように、症状がコロコロと変化します。
場合によっては、風寒と風熱が混在するようなときもありますし、初期の解表に失敗して、ひとつ奥に入り、熱を呈してくることもあります。
症状が教科書どうりのような例ならよいですが、混在して正確に見極めることができない場合は、風寒と風熱の薬を合わせて用いたり、太陽病と少陽病の薬を合方する方が無難な場合も多々あります。

漢方を、証ではなく、病名で処方している医療機関に行きますと、インフルエンザであれば、麻黄湯というような具合に処方されることがありますが、仮に風熱の風邪に麻黄湯を用いると、ウイルスの分裂を促進して悪化するような危険性を伴います。

風邪はガンよりも難しい!という諺を作りたいくらい、症状の変化に応じて、薬も一服ごと、変える必要があります。
ですので、こちらでは、何種類かのお薬を調合して、このようなときはコレ、こうなったらコチラ・・・を飲んでください!
というような出し方をしています。
そして、一番の名医は患者さん自身ですので、症状の見極め方から、そのときに応じた食事箋まで覚えていただいています。

★毎月第二土曜に、このような養生塾を行っていますので、お近くの方は是非ご参加くださいね!!!

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