2012年5月30日水曜日

芒種からの養生法 夏の運気学


今年5月21日~7月21日の運気学を黄帝内経から紐解いてみますと
”寒気が広く行き渡り、雨も降り出す。夏になって暑くなるはずであるが逆に寒く、その為人々は外表に悪寒を発しながら体内が発熱し、でき物が出来たり、下痢をしたり、さらに心臓が悶えて熱が出、意識が朦朧となり、気が閉塞して苦しむなどの症状にかかる者が多くなり、治療が手遅れになると容易に死亡する”・・・・とあります。

先日の金環日食に象徴されるように、陽の象徴である太陽が、一時的とはいえ陰の象徴である月に、覆い隠され遮られる・・・のがこの夏の自然界の環境です。
最近の気候がまさしくこの通りで、季節外れの寒気が南下し、地表との温度差が40度以上開き、そのために積乱雲が生じて、激しい雨、霰、雹、竜巻、突風等を巻き起こしています。
一日の内でも気温変化、気圧変化、湿度変化等が激しく、私達の体も同様に揺さぶられています。

もう少し詳しく、私達の体を見て参りますと、昼間はかなり暑いために、冷たい水分を沢山摂ったりして、胃腸が冷えています。
体の熱を冷まそうとしているわけですが、夕刻から一気に西風に変わり、空気が冷えてきます。すると、体表が寒さのために閉じてしまい、汗、尿、便等の排泄が悪くなり、体に鬱熱が籠もります。
つまり、体の内部から、冷、熱、冷の三層構造になっており、このために気の巡りが妨げられ、体に様々な異変が起こりやすくなっています。具体的には、

1,季節外れの風邪に苦しみ、ノドの痛み、咳、肺炎等の多発
2,上半身に熱が籠もり、胸苦しい、動悸、息切れ、煩燥、耳鳴り、めまい、急な血圧の上昇、心臓の痛み、脳梗塞等の血管疾患が多発
3,不安でたまらない、鬱状態がひどく身の置き所がない等の精神の不安定
4,お腹がゴロゴロ、軟便、下痢、又は便秘、ガスが多い、吐き気と食欲不振が続くなどの胃腸病が例年になく多い
5,体がむくむ、だるい、朝起きると関節がこわばり痛む、節々の痛みや神経痛が激しい等も非常に多い

ーーーーーーーーー★この夏を乗り切る養生の仕方★ーーーーーーーーーーーーーーーーー


1,扶正力を十分に養う
*暴飲暴食をしない 
*気血を作る食事 (穀物と一汁一菜で腹八分)
*インスタントや加工食品、白砂糖食品、酸化油脂で体を汚さない
*寝不足と過労は厳禁

2,気を巡らす
*こまめな散歩や体操で上下の気を巡らす
*合谷、太衝のツボ押し
*耳温灸で左右の気を巡らす

3,陰陽の失調を回復させる
*冷たいものを摂りすぎない
*半身浴で汗がかける体作り(熱を籠もらせない)
*今年は毛布や長袖をしまわないこと・・・衣服と布団で温度調節
*朝は大椎と神闕、足三里の温灸、寝る前は照海、三陰交、臨泣の温灸

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